ミシュランは11月18日、千葉県松戸市のタカラ物流システム㈱東日本支社でトラック・バス用のシングルタイヤ「X One」に関する合同プレスセミナーを開催した。
「X One」は、トラックの後輪に装着されているダブルタイヤを1本にするというコンセプトで、車両の輸送効率向上ならびに環境負荷低減に貢献するトラック・バス用シングルタイヤ。
物流業界では厳しい排気ガス規制に対応するため、環境負荷低減装置の搭載が増加しており、トラックのフロントキャビン部分が更に重くなる傾向にある。
その結果、車輌重量が増え、掲載重量が減ってしまうことが問題視されている。
従来のダブルタイヤをシングルタイヤの「X One」に変更することにより、1車軸当たり約157キロの軽量化ができるため、積載量の増加が可能となる。
積載効率の向上により、同重量の輸送に必要なトラック便数の削減につながるという。
また、4本のタイヤを2本にすることにより、タイヤの転がり抵抗も低減される。
さらに、タイヤを2本から1本に減らすことによって廃棄されるタイヤも減り、環境負荷低減も可能となる。
メンテナンスにおいても、4本から2本に単純に数量が減るため容易になるという。
このたび、タカラ物流システムが導入した15トン積載大型トラックに「X One」を初採用した。タイヤサイズは455/55R22・5。「15トン車というトラックの中でも非常にポピュラーなトラックに採用してもらったので、引き合いが多くきている」という。
タカラ物流システムでは、積極的な車両軽量化で、車両総重量から車両本体重量を差し引いた重量である最大積載量を、従来の車両総重量25トン大型トラックの13・5トンから15トンへ大幅に向上させることに成功した。
今後普及の課題としては、
「新規トラックでの登録台数を増やすことははもちろんだが、アメリカでは新規トラックだけではなく、既存トラックへの付替えも進んでいる。既存トラックへの付け替え方法について、事例を集め、もっとわかりやすく説明していきたい」(同社)としている。