朝日ラバー 決算説明会を開催

2013年11月30日

ゴムタイムス社

 朝日ラバーは2014年3月期第2四半期決算説明会を開催し、伊藤潤・代表取締役社長が説明を行った。
 同社の上期の売上高は27億5400万円で前年同期比14・4%増、営業利益は1億1900万円で同35・0%増、経常利益は1億2000万円で同87・0%増、四半期純利益は7700万円で同91・7%増の大幅な増収増益となった。
 上期は自動車用ゴム製品の受注が好調に推移し、顧客の在庫調整で減少していたスポーツ用ゴム製品と医療用ゴム製品の受注が回復。RFID(電波による個体識別)向けゴム製品の受注が好調だった。
 第2四半期と第1四半期の比較では、売上高・営業利益・経常利益ともに第2四半期は減少したが、これは医療用ゴム製品の新規製品立上げに伴う費用増と、マイクロ流体チップ開発の量産準備が、第2四半期からスタートするための費用が増加したことによる。
 セグメント別では、上期の工業用ゴム事業の売上高は、21億9100万円で前年同期比17・0%増。医療・衛生用ゴム事業は5億6200万円で同5・5%増となった。
 利益面では、工業用ゴム事業は2億2000万円で同53・5%増、医療・衛生用ゴム事業は1400万円で同77・4%減となっている。
 今期が最終年度となる中期3ヵ年計画の事業分野別実績では、自動車やLED市場向けの照明関連事業の売上高は、11億7000万円で前年同期比5・9%増。医療関連事業は5億3900万円で同5・6%増。スポーツ用やRFID向けの機能製品関連事業は、10億4500万円で同32・0%増となった。
 主要製品別の実績について、まず工業用ゴム事業のうち、自動車のスピードメーターやカーオーディオなどの照明に使われている「ASA COLOR LED」の第2四半期の売上高は、10億3500万円となり同9・4%増となった。
 北米や中国などで自動車の販売が伸びて生産台数が増加し、セットメーカーを通じて同社製品を採用している車種の販売が増加したことが大きな要因。
 スポーツ用ゴム製品の卓球ラケット用ラバーは、世界トップレベルのプレーヤー向けに開発した、反発弾性・高摩擦抵抗などを追及した高品質の製品である。
 顧客の大幅な在庫調整が終了して受注が回復し、第2四半期売上高は、同38・4%増の20億3000万円となった。
 医療・衛生用ゴム事業のうち、点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケットなど、使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品の第2四半期売上高は、5億3900万円で同5・6%増となった。
 顧客の在庫調整が終了して受注が回復するとともに、採血用・薬液混注用ゴム栓の受注が好調だった。
 通期については、連結の売上高55億円で同14・8%増、営業利益2億2000万円で同62・4%増、経常利益2億1000万円で同50・5%増、当期純利益は1億2000万円で同56・3%増の見通し。8月9日に公表した予測に比べ、売上高を3・8%、経常利益を7・7%、当期純利益を9・1%上方に修正する一方、営業利益は12・0%下方修正した。
 売上高は引き続き自動車用・スポーツ用・医療用のゴム製品の受注が好調、経常利益については補助金収入の計上と調達金利が低位で推移していることから前回予測を上回り、営業利益は新規事業への費用増により、予測を下回る見込みとなった。
 通期の設備投資額は約6億円。照明関連事業でASA COLOR LEDの増産ラインを来年1月に導入する。機能製品関連事業では、受注数量が確定しているRFIDタグ用ゴム製品の増産ラインと、マイクロ流体チップの量産ラインを来年1月以降に導入する予定だ。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー