ニュースの焦点 なぜ車に無関心な若者が増えているのか

2013年12月02日

ゴムタイムス社

 東京モーターショーが開幕した。一般公開の初日は会場を待つ人の列ができるなど、それなりに賑わっているようだが、モータージャーナリストらによれば、相前後して開幕したロサンゼルスモーターショーや広州モーターショーに比べると、やや熱気に欠けるというのが、東京モーターショーの印象らしい。
 それもそのはずだ。何しろ、米国のビッグスリーが参加しておらず、年々出展者数が減少してきているというのだから。
 実際、日本の自動車市場は縮小する傾向にあり、1990年には新車の販売台数が778万台だったのに対し、昨年は536万台にまで落ち込んだ。ビッグスリーなどの目には、もはや日本は魅力のある市場とは映らないようだ。
 そもそも、自動車は裾野の広い産業であり、何らかの部品を供給しているゴム関連企業は多い。したがって、国内市場が縮小するのは、由々しき事態である。
 国内市場が縮小している理由の一つとして、「若者の車離れ」が挙げられる。
 日本自動車工業会の調査によれば、若者の車への関心は低下しているそうだ。ただし、その要因として「関心のあり方が多様化しているため」などというのでは説得力に欠ける。なぜなら、同じ調査で海外旅行への関心も車同様、低下しているからだ。
 要するに、若者たちの関心は、より身近なものに向けられるようになっているのであり、その背景にあるのは経済的な事情ではないだろうか。
 若者の約半数が非正規雇用という現状では、高価なものに目を向けるのは難しい。手の届かないものに関心が向かないのは当然だろう。
 若者の目に魅力的だと映るような車を造ることも重要だが、それと同時に、若者の雇用環境を変えないと「若者の車離れ」は収まらないのではないかと危惧される。

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