ブリヂストンの津谷正明CEOと西海和久COOは昨年末に東京中央区の本社で記者会見し、2013年を振り返るととともに、ファイストン買収25周年を機に「真のグローバル企業」を目指して着手した取り組みやタイヤ市場の展望、経営改革などについて語った。
―13年を振り返って。
津谷CEO ちょうど1年前に「いいスタートが切れた。経営改革に手応えを感じている」と話した。それから1年が経ち「自分たちがやっていることは正しい」という思いを強めている。
特に13年は、ブリヂストンがグローバル化に向けて大きな一歩を踏み出した、ファイアストン買収から25周年ということで、行事を含め、いくつか新しい手を打った。
その一つが、9月に米国ナッシュビルで開催したグローバルTQM大会だ。海外で行うのは初めてで、せっかく米国でやるのだから、基本的に英語でプレゼンテーションするようにしたところ、素晴らしいできだった。
当社は英語の社内公用語化を進めているが、この成果も、その自信を深める一例となった。
11月半ばに新社屋が完成し移転した。地に足をつけ、足場を見失わないように気を引き締めて、改革を進めていきたいと改めて感じている。
西海COO 13年の事業展開について話したい。タイヤ事業ではインドの第2工場であるプネ工場でPSRの生産をスタートした。年明けからTBRの製造も始める。
ベトナムでは2万5000本の第1期工事に続き、2万4000本を増強する計画を10月に決定。中国の無錫でも増強を決定した。
ロシアのウリヤノフスク州に工場の新設を決定。タイでもORRの大型と中小型の新工場建設を発表している。
また、現場のニーズを反映させた研究開発体制を構築するため、タイにテクニカルセンターを設立し、活動を開始した。
化工品事業に関しては、競争力のあるコンベヤベルトの事業が将来も伸びていくということで、横浜工場に続き、タイでコンベヤベルトの生産を決定。同時に、自動車メーカーが進出しているメキシコに、自動車シート用ウレタンフォーム工場の新設を10月に決定した。両工場とも15年春には生産をスタートさせる計画だ。
中国では点在していた電材とウレタンの事業所を開平に統合した。