トヨックスは11日、富山県黒部市宇奈月に機能品の安心配管シリーズの耐熱・食品ホース生産の新工場を完成させ、9日から本格稼動を開始したと発表した。
主にハイブリッド商品であるシリコーン製ホースをはじめとする各種ホースを生産する。新工場の建物延べ面積は従来の5倍。
食品用途のほかに工場での耐熱用途への需要も増えており、今まで生産していた工場では生産キャパが不足してきたこと、また、工場の立地が低い位置にあり、河川に隣接しているため、昨今の異常気象を考慮すると、洪水の危険性もあることから安定納品のためのBCP対策の一環として新工場への移転を実施した。
需要増の背景には、食への安全意識がさらに向上していること、食品以外の生産工場での設備の高性能化やメンテナンスの技術者不足などがあり、耐熱要望に加え、配管としてのメンテナンス減やトラブル減が強く求められている。同社では、要望に応えるため、昨年発売したハイブリッドトヨシリコーンや10月に発売したトヨシリコーンサーモのように耐熱温度帯の違いや使用用途の違いに対応できるようにNTS構造をはじめとする複数種の独自特許補強構造を開発し、現場ユーザーの要望に対応している。
この新工場移転にあたり、従来の生産ラインを改善し、ワンライン化すると共にラインスピードの改善も実施しており、従来の2倍のラインスピードを実現。生産効率を高め、増える需要に対応し安定納品体制を確立した。
また、新工場では衛生管理面の強化にも取り組み、空調やフィルター等の設備も強化した。同社では今後も技術提携先である伊・フィット社との連携で、ハイブリッド商品の生産設備の開発と改良を実施し、さらなる生産強化を実施していくとともに、現場ユーザーからの要望、苦情に応えるために新商品開発のスピードアップも図っていく。
同社では、機能品ホースの品揃えの充実に加え、独自の専用継手も多数品揃えをしており、ハイブリッド商品のホース配管安心セットとしてユーザーに高い評価を得ている。今後も国内外からのユーザー要望に応える新商品への対応のためにも生産効率を高めていく。さらに、今回の新工場稼動で安定納品できる体制が整ったとし、今後もアジア各国に向けた拡販のための販促支援で、これまで以上に用途ユーザー開拓を強化していく方針。
2013年12月14日