新春トップインタビュー クレハエラストマー

2014年01月04日

ゴムタイムス社

クレハエラストマー 新春インタビュー 情報収集・分析で需要掴み拡販 アジア中心に海外事業拡大へ

 

 

 シートメーカーとして初の3m広幅ゴムシートの生産を開始し、意欲的に市場開拓を進めるクレハエラストマー。創立70周年を迎えた昨年、社長に就任した白枝照基氏に、新年の事業展開などについて話を聞いた。

―13年を振り返って。

 国内の景気は緩やかに回復しつつあり、原油相場は幾分落ち着いた状況となったが、円安の影響で原料価格は値上がり傾向を見せている。そういった環境の中、全体としては前年よりも需要に力強さを感じた。13年は決算期変更によって6ヵ月決算だったことから、10月分の売上が前倒しで9月に入ってきた面はあるが、9月と10月の平均を見ると前年よりいい数字が出た。

 前期(13年3月21日―9月20日)の売上高は34億1500万円で、12年上期と比較して5%増。経常利益は9800万円、当期純利益は7200万円となった。

―部門別の業績は。

クレハエラストマー 白枝社長

 シート事業の特殊ゴム板の市況は冷え込んだまま厳しい状況だったが、ゴム型物は好調だった。マイニング機品事業も、震災復興や災害復旧需要が増えて売上を伸ばした。その他、ダム関係にも動きがあり、電力需給の問題から水力発電を増強する流れが起きているため、マイニング事業は今後も需要増が見込める。

 シート事業では、12年後半から中国向けが減少傾向にあった。汎用品は持ち直す気配が見え始めている。シート以外では、全体的にどの分野も好調だった。

 前年度決算の経常損失から一転して経常利益が出た要因としては、中東情勢が落ち着いて予想したほどナフサ価格が高騰しなかった点も大きい。ただ、重油、電気等の用役費が今後さらに上昇する懸念はある。電力会社との契約電力をオーバーしないよう使用電力をこまめに調整したり、工場内の発電設備を利用するなどして、コスト削減に努めている。そうした努力の甲斐あり、昨年は製品価格の値上げを行わなかった。やはり、価格へのコスト転嫁は難しい。

 

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