中期3ヵ年計画で「安定的収益基盤の確立」「中国、アジア市場に軸足を置く」「企業総合力の強化」を柱に据えて業績アップを図る明治ゴム化成。中計の最終年に当たる今年、岩崎社長に中計の進捗状況および今後の事業戦略を聞いた。
―13年を振り返って。
国内は円高是正、株価上昇によりゆるやかな回復傾向にあった。海外は米国が堅調な一方、中国の成長が鈍化。新興国も米国の金融引き締め懸念から景気拡大が減速している状況だ。
13年度上期は連結で売上が94億9100万円、前年同期比6%増、営業利益2億9800万円、同23%増、経常利益3億7400万円、同99%増と増収増益となった。
当社は事業ポートフォリオの再構築を進めて総合力の強化を図っており、13年4月に子会社の明治フレックスを本体に統合した。こうした施策により徐々にシナジー効果が現れ、13年度通期予想についても、増収増益を見込んでいる。
―各部門事業戦略は。
上期増収増益の牽引役は、印刷機材(ブランケット)部門だ。国内市場がシュリンクする中で輪転機向け、UV製品向けに新製品を投入して功を奏した。
工業用品部門では、エスカレーターやエレベーターなどの昇降機ローラーが好調だった。製紙、製鉄向け大型ロールについては業界内統合の動きから生産量自体が落ちている状況だが、きめ細かい営業努力により前年並み売上を確保できた。
海洋製品では、震災復興需要に伴い、港湾関係の防舷材で大型の受注があって業績を伸ばした。
自動車部品事業については、エコカー減税や震災後の需要で生産が伸びた前年同期比で微減となったが、業績としては悪くなかった。13年4月にメイジフローシステムが子会社の栄ゴム工業を統合し、生産の効率化を図った効果が現れている。
一方、不調だったのは物流資材など合成樹脂部門。自動車輸出向けコンテナなどの需要が減り、減収減益となった。