三菱化学は19日、植物油からカーボンブラックを高収率で量産する技術を確立したと発表した。
カーボンブラックは現在、クレオソート油・エチレン残渣油など、芳香族成分(アントラセン等)を豊富に含んだ石炭系・石油系重質油を原料として量産されている。
これに対し、ヒマシ油・松やに油などの植物油は、芳香族成分の含有量が少ないため、従来の製法ではカーボンブラックを量産できなかった。
同社は、石炭・石油系の鉱物資源から、植物由来の非枯渇資源への原料転換を図るために、独自に培ってきた高機能カーボンブラックの製造技術を応用することで、植物油を原料としたカーボンブラックの量産に成功した。
また、本製品を使用したゴム、樹脂コンパウンド等の配合物は加工性に優れるという特徴を持っている。
2010年12月から黒崎事業所で試験生産を開始し、2013年7月から一部ユーザーへの供給を開始している。
同社は「市場の伸長を見極めながら、生産体制を拡充を検討していく」としている。
2013年12月19日