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2014年01月04日

ゴムタイムス社

横浜ゴム 新春インタビュー 韓国クムホタイヤと提携で合意 長期的視野で技術開発競い合う

 13年度決算では売上高、利益共に2年連続で過去最高を見込む横浜ゴム。野地彦旬社長に「GD100 フェーズⅢ」最終年となる14年の展望を聞いた。

―13年を振り返って。

 欧州の低迷に底打ち感が現れ、米国の消費も回復したが、中国経済の減速、アジア新興国の成長鈍化など、世界全体では先行き不透明な環境が続いた。日本国内は経済政策や円安の影響で回復基調となった。

 当社のタイヤ事業では、国内新車用は軽自動車や輸出向けを中心に回復基調となった。国内市販用は販売本数は堅調に推移した。海外の販売では北米の需要回復が顕著で、欧州でも徐々に回復しているが、ロシアでは需要が低迷している。MB事業では、北米や東南アジアでの自動車用ホースが好調で、コンベヤベルト、マリンホース、防舷材、航空部品なども堅調に推移した。

―フェーズⅢについて。

横浜ゴム野路社長

 当社は12年度に、中期経営計画「GD100」の「フェーズⅢ」をスタートさせた。「大規模なタイヤ供給能力の増強」「高付加価値商品のグローバル展開」を成長戦略に掲げ、2年目となる昨年も様々な施策に取り組んだ。

 「大規模なタイヤ供給能力の増強」では、昨年4月に米国ミシシッピ州にトラック・バス用タイヤ工場の新設を発表。フィリピンでは第2期拡張をスタートさせ、ロシア工場の生産能力増強も行った。昨年は全社で370億円の設備投資を行い、生産能力は前年比172万本増の6269万本となった。小規模で進出した後、需要に合わせて生産能力を上げる「小さく生んで大きく育てる」戦略によって投資リスクが軽減され、ロシアやベトナムに日系メーカーとして初進出できた。

 「高付加価値商品のグローバル展開」については、フラッグシップブランドの新商品「ADVAN Sports V105」が、欧州のプレミアムカーに多数装着された。低燃費タイヤでは、転がり抵抗「AAA」、ウエットグリップ「a」の「BluEarth―1 EF20」などを発売。北米ではトラック・バス用超偏平タイヤを、ORタイヤでは当社初となる49インチラジアルタイヤを正式に発売した。

 MB成長戦略では、「3つのコア技術から新たなナンバーワン商品を目指す」「新規ビジネスチャンスの創出と拡大」を掲げた。米国ではパワステ用ホースでトップシェアを保ち、メキシコでエアコン用ホースの委託生産による生産開始を決定。東南アジア、南アジア、豪州での工業品の販売強化のためシンガポールに工業品販売会社を設立した。電材事業では情報端末向けの塗装用下地材、プライマー「TP515」を発売。ゴルフ事業ではエグゼクティブシニア向け「iD nabla RED」などを発売した。

 CSRへの取り組みでは、昨年5月に岩手県大槌町で植樹会を開催。東北太平洋沿岸に、がれきを利用した「いのちを守る防潮堤」を築き、「平成の杜」と命名した。

 その結果、「フェーズⅢ」2年目となる13年度決算については売上高6100億円、営業利益590億円と、収益共に2年連続で過去最高を見込んでいる。当社が将来に向けて必要な利益を確保すべく、事業活動を推進した結果と捉えている。

 

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