新春トップインタビュー 住友ゴム工業

2014年01月01日

ゴムタイムス社

住友ゴム工業 新春インタビュー 究極のエコタイヤを発売 強みである低燃費商品を次々に上市

 国内では強みである低燃費タイヤを次々に市場投入する一方、「真のグローバルプレイヤー」を目指し、新市場への挑戦を続ける住友ゴム工業。池田育嗣社長に海外展開や14年度の方針などを聞いた。

―13年を振り返って。

 国内外での拡販や新製品の発売、継続的な経費削減やコストダウンなど、収益力の強化にグループ一体となって取り組んだ。

 タイヤ事業については、国内では年初に、最上の静粛性を追求した低燃費タイヤ「ビューロ VE303」を発売。3月にはトラック・バス用の低燃費オールシーズンタイヤ「エナセーブ SP668」を発売した。

 11月の東京モーターショーでは、究極のエコタイヤである石油外天然資源比率100%を達成した「エナセーブ100」を発表・発売することができた。

 1913年に「国産第一号タイヤ」を誕生させてから100年、「エナセーブ100」は、日本のモータリゼーションに大きな変革をもたらしてきた当社の「100年目の解答」と言える。

 さらに12月には、長持ちする低燃費タイヤをコンセプトとした、エナセーブ第2世代のスタンダード低燃費タイヤ「エナセーブEC203」を発表するなど、1年を通して当社の強みである低燃費商品を市場に投入した。

 また東京モーターショーでは、低燃費タイヤと超高精度を追求した次世代新工法「NEO―T01」により製造された、プレミアムランフラットタイヤ「SP SPORTMAXX 050 NEO」のプロトタイプも同時に発表した。

 この両タイヤは来年中に発売すべく、最終チューニングを進めている。

―グローバル展開について。

住友ゴム工業池田社長

 長期ビジョン「VISION 2020」で、当社が目指す姿は「高収益・高成長の真のグローバルプレイヤーになる」、「ステークホルダーにとっての価値向上と、全社員の幸せを追求する」企業である。

 その実現に向けた成長エンジンとして「新市場への挑戦」「飽くなき技術革新」「新分野の創出」という3つのテーマを掲げている。

 中でも今後、当社がグローバルな成長を実現していくために、特に重要となるのが「新市場への挑戦」における「新興市場への進出」だ。

 VISION 2020では、今後大きな需要拡大が期待できる新興市場として、中南米・ロシア・インド・中近東・アフリカの5つのエリアを挙げた。当社はこのエリアにおける販売比率を、2015年には14%まで引き上げることを目指している。

 そのため、生産・販売拠点の積極展開を進めており、昨年4月にはインドの販売会社「ファルケンタイヤインディア」がファルケンブランドの販売を開始した。

 またトルコでは、9月から新工場の建設を進めており、15年7月からの生産開始を目指し、計画通り順調に進行している。

 当社の長期ビジョンでの需要予測が1億4500万本と、5つのエリアの中で最大市場になることが予測されるブラジルでは、10月に工場が稼働を開始した。これにより、中南米地域のタイヤ生産・販売体制のさらなる強化が図れることから、当社のグローバル成長戦

略に大きく寄与するものと期待している。

 さらに、買収を発表したアポロタイヤ南アフリカ社のレディスミス工場を、当社の南アフリカ工場として12月から稼働した。この買収により、当社はアフリカ全土でのダンロップブランドの使用権を確保でき、大きな成長が見込まれるアフリカ市場で、タイヤ事業をさらに拡大させていきたいと考えている。

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