新春トップインタビュー 昭和ゴム

2014年01月02日

ゴムタイムス社

昭和ゴム 新春トップインタビュー さらに改革進め黒字化目指す 医療用新製品投入に注力

 

 

 グループの根幹であるゴム事業の黒字化を目指し、新製品の開発や海外展開などを積極的に進めている昭和HD。昭和ゴムの渡邉正社長に、ゴム事業の販売計画や事業戦略を聞いた。

―上期のゴム事業を振り返って。

 一言で言って、非常に厳しかった。

 当社のゴム事業には、ライニングやプレス成形品などの工業用品と食品医療の2部門があり、工業用品、特にライニングは、売上が前年度比で20%以上下がった。

 ライニング不振の要因を単純に言ってしまえば、顧客の設備投資がまだ回復していないこと。設備投資を抑えて、メンテナンスで凌ごうとしているため、当社の売上比率も、通常なら新規物件とメンテナンス物件は7対3ぐらいなのに、6対4程度になっている。それほど新規物件が減っているということだ。

 プレス成形品の販売は、ほぼ横ばいというところだが、当社の成形品は、ガスケットや圧搾機用ダイヤフラムなど大型製品がメインで、顧客の受注に100%依存しているのも厳しい一因である。ただし、食品医療用品については前年度に比べ上向きで、営業利益を出せる状況になってきた。

 こうしたことからゴム事業全体としては上期は減収減益で、国内市場だけでは厳しいということを実感している。

―海外事業については。

昭和ゴム重田社長

 マレーシアに昭和ラバーマレーシア(SRM)というゴムライニング工場があるが、ここも今期は前期より売り上げがかなり落ちた。

 その原因の一つは、当社のメイン顧客が現地からの撤退を決めたこと、もう一つは、マレーシア国内のライニング需要のほぼ8割はSRMが受注していると言われていたが、最近はローカル企業に流れているのではないかと考えられる。

 シンガポールはほぼ飽和状態に近いので、マレーシア国内での営業方法の見直し、ベトナムやインドネシアでの市場開拓と合わせて、アセアンでの協力工場の探索を進めている。この地域で対象となるのはプラント建設関係。中でも鉱山開発プラントが主なターゲットとなる。

 中国市場については、昭和HDが青島に駐在事務所を開設し、ゴム事業に関しては安価ゴム資材の調達、中国での生産委託先及び技術協力先の探索を進めている。

 

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