謹んで新年のお慶びを申し上げます。
「不確実性」と「多様性」の時代と表現される2010年代も中盤に差し掛かり、米国経済の強さを背景とした金融緩和の縮小開始、欧州や日本の経済回復の兆し、中国における過剰在庫の解消など、世界景気の回復への変化が顕れてきております。主要国はいまだ国内問題の解決にエネルギーを費やしており「Gゼロ」の世界は当分続きそうですが、経済危機後の新しい仕組みが姿を現して今までとは違った世界に突入してくる予兆が見えます。
当社は、将来に亘って「持続的な成長」を遂げられる「変化に強い」企業体となるべく、2020年のありたい姿の実現を目指して「成長への始動」と位置づけた3ヵ年の中期経営計画「JSR20i3」の中で主要課題への取り組みを推進してきました。本年はさらに「結果を出す」ための第2期中期経営計画を開始する予定です。
現中期経営計画「JSR20i3」の成果といたしましては、まず石化事業においては、タイのJSR BSTエラストマー社の溶液重合SBRのプラントが稼働いたしました。ファイン事業では半導体製造用のA rFレジストが顧客の20ナノメートル世代への移行にともない第2四半期以降大きな伸びを示し始めております。戦略事業では、JSRライフサイエンス社を分社化し、さらに医学生物学研究所との資本業務提携により、ライフサイエンス事業の拡大へ大きな一歩を踏み出しました。JMエナジー社のリチウムイオンキャパシタも10社以上で採用され、事業拡大に備えて量産工場建設を決定いたしました。
この3年間の取り組みで、まだ成果は充分でないものの、成長への準備がほぼ整ったといえます。
世界同時経済危機から今年で6年目を迎えようとする中、そろそろ新しい枠組み、仕組みが出来てくるものと思われますが、すなわちそれは、「将来の持続的成長」 に向けた準備に使える時間が少ししか残されていないことを意味します。
本年4月からの新中期経営計画では、この新しい枠組みの下に成長する世界経済を誰よりも早く捉えて、事業変革とともに成長していく軌道を確立することが目標となります。
「結果を出す」ことを念頭に計画を描き、果敢に実行していく所存です。
本年も何卒、倍旧のご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
2014年01月16日