13年は第3の創業の年と位置づけた「仕込み」の年から14年は「成長」の年とする東海ゴム工業。13年を振り返りながら足元の需要動向、新規事業の方針など西村義明社長に聞いた。
―13年を振り返って。
昨年はアベノミクス効果に伴う円安進行と株価上昇で、全体として、悪くはない状況だった。昨年は第3の創業の年と位置付け、イタリアの自動車用ホースメーカーのDYTECH社、ドイツの自動車用防振ゴムメーカーのAnvis社等の買収を行った。また12月には、京都府綾部市に産業用ホース製造子会社TRI京都も新設するなど、激動の年であったと言える。買収した会社にどのように対応していくかに時間を費やした感じがする。
―14年の事業戦略について。
12、13年にかけて、自動車メーカーに対してのメガサプライヤーの地位を築くことができ、弊社のほとんどの事業に向けての仕込みが整った。今年は、13年の結果を踏まえて、それをきっちりと機能させ、仕込んだものを今度は収穫する年になっていくと思う。また今年は、中計最終年度(2015年度)の目標である連結売上高4200億円、営業利益340億円、営業利益率8%の達成に向けて一歩でも近づけるようにしていく。今年の課題は、キャッシュフローの改善を重点に置いた経営にシフトしていく。例えば、営業のキャッシュフロー、投資のキャッシュフローともに改善できるように考えたい。そういう面で仕込みの年から、成長の年と同時に財務体質の強化の年にしていく。キャッシュフローに関しては、CCC(キャッシュコンバージョン・サイクル)運動の強化を行っていく。
―足元の動向は。
昨年10月~12月は計画を若干上回っており、順調に推移している。単独では海外からのロイヤリティ関連のレートの見直しを行っている。その結果が下半期にでてくるのではないか。通期業績予想は、4月の消費税増税で残りの1月~3月にかけて自動車の需要が高くなると期待しているが、化成品が厳しめに推移している。しかし、大きくブレることはない。