三菱化学は1月20日、植物由来のイソソルバイドを原料とした高機能透明バイオエンプラDURABIO(デュラビオ)において、光学特性・耐熱性・耐湿性が優れた新グレードを開発したと発表した。
同社はこの新グレードを、需要の大きな伸びが期待される「自動車搭載タッチパネル」用途に向けて、積極的に拡販していくとしている。
自動車に搭載されたタッチパネルは、主にエアコンやオーディオ、カーナビのコントローラーとして使われている。デザイン性が高く、美しい車内空間を実現できることから採用事例が急速に増えており、今後も着実な成長が見込まれている。
安全上の理由から、自動車搭載タッチパネルの前面板には割れやすいガラスではなく、衝撃に強いポリカーボネートなどの透明樹脂が用いられている。しかし、ポリカーボネート樹脂には、透過する光が歪んでしまうため、タッチパネル表面の表示も歪んで見づらいという欠点があり、これを解決する代替材料の開発が待たれていた。同社が開発した同商品の新グレードは、光学特性が高く、透過する光がほとんど歪まないため、タッチパネル表面の表示を見やすくすることができる。
同社は、黒崎事業所(福岡県北九州市)の年産能力5000tの商業プラントで、2012年秋以来、同商品を生産している。自動車搭載タッチパネルなど、同商品の高い機能を活かした用途開発を積極的に行い、2015年度までに年産能力を1万6000tに増強する予定。
2014年01月21日