東海カーボンは1月20日、同日開催の取締役会において、Cancarb Limited社(カンカーブ社)の発行済株式の全て、及びTransCanada Energy Ltd.が所有する一部関連資産を取得することについて決議したと発表した。
カンカーブ社は、TransCanada Corporationの子会社であるTransCanada PipeLines Limitedの保有する企業。資本金は42万6182カナダドル。1973年設立。TransCanada Energy Ltd.は、TransCanada Corporationのグループ会社。
今回、同社が取得するカンカーブ社は、米国、欧州、アジアにおいてグローバルな事業を展開する自動車向け各種ゴム製品や耐火物用途向けのサーマルブラックの開発・製造・販売会社。カンカーブ社は、天然ガスを原料としたサーマルブラックを生産しているが、世界のサーマルブラック市場において50%以上のマーケットシェアを保持しており、シェールガスを含む北米での豊富な天然ガス市場へのアクセスなど地理的な優位性を活かして、付加価値の高い製品を販売し、安定した収益力を有している。
同社は、カーボンブラック事業を中長期の戦略的成長分野と位置付けており、既にファーネスブラックの分野においては、リーディングカンパニーとして、日本国内はもとより、中国、タイを中心とするアジア地域においてその地位を築いてきている。今後、カンカーブ社と協働していくことでグローバルなカーボンブラック市場におけるプレゼンスをさらに向上させ、成長を加速化できるとしている。
また、天然ガスを主原料とするサーマルブラック分野へ進出することは、同社グループの製品ポートフォリオ及び技術基盤の拡大、並びにこれらを通じた収益の安定化及びコスト競争力の強化に資し、さらには、今後両社が互いに協力していくことで、販売や技術分野でシナジーの創出が可能と期待している。
同社は3ヵ年中期経営計画「T―2015」の中でM&A(合併・買収)を通じたグローバル展開の加速を掲げており今回の買収に係る取り組みは、こうした当社戦略の前進に向けた強力な一歩であると同時に事業領域の拡大へ向けた動きに大きく貢献できるものと考えているとしている。
なお、本資産の取得は、カンカーブ社の事業設備と一体で運営されている排熱処理設備を今回のカンカーブ社の取得にともない付帯して取得するもの。
2014年01月21日