イノアックコーポレーションはこのほど、スリランカに設立した「イノアック・ポリマー・ランカ(IPL)」のウレタンフォーム生産工場が稼働を開始したと発表した。
東南アジアの巨大マーケットを視野に入れた、アジア地区では中国・タイ・インドネシアに次ぐ4番目の生産拠点。
ポリウレタンフォームは、特に自動車や生活用品、ブラジャーのパッドなどで使われており、IPLは、スリランカで唯一のウレタンメーカーとなる。
イノアックは2年ほど前に、ウレタンフォーム生産の一部を、中国から大手アパレル製造業があるスリランカへシフトすることを決めた。
今後はMAS・ブランディックス・ベンジー・シルエタといった、スリランカのアパレル産業大手企業向けに、特殊高品質ウレタンフォームを供給する。少なくとも生産の20%を、中国からスリランカへ移す予定だ。
昨年12月11日には、リシャド・バドゥユディーン経済産業大臣を始めとする、政府関係者や業界関係者などが出席して開所式を行った。
同大臣は「イノアックが設立する新会社の2000万ドルという投資金額は、2国間のパートナーシップの歴史において、日本からスリランカへの海外直接投資として最高額と言える」と述べた。
同工場の稼働により、スリランカは、これまで衣料用のウレタンフォームの輸入に使っていた外貨を、100万ドル単位で節約できる。またイノアックは日本の最新技術を使い、世界クラスの自動車部品の生産も視野に入れている。
自動車産業のグローバルサプライヤーである同社は1926年の設立。現在では、アメリカ・カナダ・韓国・日本・東南アジア・ヨーロッパを含む20の国で事業を展開し、世界に74の最先端工場を持っている。
スリランカとの関係は、アソシエーティッド・モーターウェイズとの合弁会社を設立した1959年まで遡る。
2014年01月27日