三菱樹脂は22日、透湿性フィルム「KTF」において、インドネシアに製造ラインを設置することを決定したと発表した。
同製品は主に紙おむつのバックシートとして使用されており、需要の伸長が見込まれるインドネシアで事業展開するため、同事業として初めてライン設置の運びとなった。
「KTF」は、ポリエチレンに炭酸カルシウムを加えて延伸することにより微多孔を形成した透湿性フィルムで、水蒸気は効率的に通しつつ、水滴は通さないという特長を活かして紙おむつや生理用品などの衛生材料に用いられている。同社グループは、水島製造所(岡山県倉敷市)及び台湾の太洋製膜股份有限公司に同製品の製造拠点を構え、日本及び台湾を中心に販売してきた。
著しい経済成長を背景に生活水準が向上しているインドネシアでは、より快適でムレにくい紙おむつの需要が高まり、高品質な透湿性フィルムが求められている。そのような状況の中、同社は、ポリエステルフィルムの製造販売を行うグループ会社のPT. MC PET FILM INDONESIAが拠点を置くインドネシア メラクの工場建屋内に、年産2億4000万㎡の生産能力を持つ同製品の製造ラインを新設した。なお、本件に伴う投資額は約15億円で、2015年上期の営業運転開始を予定している。
PT. MC PET FILM INDONESIAの本社はインドネシア ジャカルタで、ポリエステルフィルムの製造・販売を行っている。資本金は7500万USドル(三菱樹脂97・9%保有)。
今後、同社は透湿フィルムの飛躍的な需要の増加が見込まれるアジアにおいて、さらなる生産能力の増強を検討していく方針。
2014年01月22日