NEDO 大陽日酸と高機能フッ素樹脂を開発

2014年01月23日

ゴムタイムス社

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月22日、同機構のプロジェクトにおいて大陽日酸が、新たに高機能フッ素樹脂を開発したと発表した。
 同樹脂は、カーボン材料とフッ素樹脂の複合材料の製造工程で独自のカーボンナノチューブを用いて、カーボンの添加量を従来の1/1000程度に抑えつつ、導電性・熱伝導性・機械特性を備えている。さらに、簡便かつ低コストの高機能フッ素樹脂製造プロセスを確立したことにより、従来と同等の製造コストを実現した。
 大陽日酸では、開発した高機能フッ素樹脂サンプル素材について、年間10tの製造体制を確立し、10月からのサンプル販売を開始する予定。
 同成果に関しては、1月29日~31日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2014 第13回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」のNEDOブースにおいて展示と講演発表を行う。
 カーボン材料と樹脂の複合材料は帯電防止のための導電性、成形加工ならびに切削加工時の際に熱膨張を避ける目的で高い熱伝導性などの特性が得られることから、半導体部品、自動車部品など多くの分野での応用が期待されている。従来技術で最もフィラーとして使われているカーボン材料はカーボンブラック(CB)だが、例えば帯電防止機能を与えるために樹脂にカーボンブラックを5~15wt%程度も添加する必要があり、成形加工不良や樹脂本来のしなやかさが損なわれる問題があった。また、半導体分野では、カーボン材料の発塵によるコンタミのリスク低減要求が厳しく、カーボン材料の添加量をさらに低減させ、樹脂本来のしなやかさを維持し、かつ発塵リスクの少ない複合材料が求められている。
 今後は確立した高機能フッ素樹脂製造プロセスにおいて、スケールアップ設備を導入し、実証試験を実施していく。

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