BASFは1月20日、高性能熱可塑性プラスチックである「ウルトラゾーン」ポリアリールスルホン樹脂の供給強化を図るため、韓国・麗水(ヨス)にある新工場の稼働を開始したと発表した。
年間6000tの製造能力を持つ新工場で、アジア太平洋地域で拡大を続ける市場への供給を強化していく計画だ。
新工場は、ドイツ以外で初めて建設されたウルトラゾーンの製造工場。これにより同社の「ウルトラゾーン」樹脂の世界全体の製造能力は1万8000tになる。この投資で、麗水工場において50名の新たな雇用が創出される。
同製品は、エレクトロニクスや自動車、航空宇宙産業などで、耐熱軽量部品の製造に幅広く使用されている。さらに、水処理膜や水道管継手、エスプレッソマシーンの食品接触部品の取り付け具、電子レンジ対応の食器などにも使われているほか、炭素繊維コンポジット材料の製造にも用いられている。
電気・電子機器の製造において世界の上位3ヵ国に入る韓国では、同製品の現地調達・生産の利点を大いに生かすことができる。また、麗水に工場を置くことで、中国や日本といった他の主要市場にも同製品を供給できるようになる。
同製品は、同社のポリエーテルスルホン樹脂(ウルトラゾーンE)、ポリスルホン樹脂(ウルトラゾーンS)およびポリフェニルスルホン樹脂(ウルトラゾーンP)の製品群の商標。ウルトラゾーンは特性が変化することなく最高220度の熱に耐えることができるほか、優れた化学的安定性を有している。
2014年01月29日