旭化成ワッカーシリコーン 自動車用に新グレード投入

2014年02月03日

ゴムタイムス社

  旭化成ワッカーシリコーン㈱はこのほど射出成形用に設計された付加硬化型の液状シリコーンゴムの新グレードとして、「耐クーラント性に優れた ELASTOSIL® LR 3022/60」の本格販売を開始した。この液状シリコーンゴムはクーラント液に長期間接触した状態においても、優れた圧縮永久ひずみ特性、およびシール性を維持し、エンジン冷却系の成形シール材に最適な材料。 圧縮永久ひずみ特性の耐久性に優れており、高い気密性を持続することが可能。125℃のクーラント液中に1000時間浸漬後も50%以下の圧縮永久ひずみを保持することができるほか、更に-45℃の極低温においても、柔軟性を示し、耐寒性と耐クーラント性を兼ね備えているため、特に自動車用途に最適な材料としている。

 また、近年、注力しているLED分野では光学レンズ材料やLEDチップの封止材に効果を発揮する光学部品用高透明液状シリコーンゴム「LUMISIL® LR 7600」の 製品ラインナップを拡充した。この「LUMISIL® LR 7600」は、透明性に優れた材料であり、200℃での長期耐熱特性にも優れているのが特長。また、 ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂に比べ耐候性に優れ、人工光、自然光、紫外線の長期間曝露においても黄変せず、透明性を維持できる。更に優れた成形加工性により、LEDチップ上に直接レンズ状の硬化物を成形できるなど、新しいデザインや筐体構造の設計が可能であり、一般照明用途や自動車用ヘッドライトなど、エネルギー効率とコストパフォーマンスに優れた製品開発を可能にするという。このほか耐熱性に優れているため、キセノンランプと高性能LEDとを組み合わせた光学部品の設計が可能。同社では4種類の硬さの製品(50、60、70、80度)をラインナップし、いずれの製品も射出成形が可能で、量生産に優れ、コスト削減に貢献できる材料とした。
 また、このほかパワーモジュール等電子材料の封止、接着に広く使われる「SEMICOSIL(セミコジル)」、医療用にクリーンオペレーションで製造する「SILPURAN(シルプラン)」、乾式シリカを使用し、引裂き強度と低圧縮永久歪を両立した熱硬化型シリコーンゴム「CENUSIL® R 1x0(セヌジル)」、改質剤として採用が高まっている熱可塑性樹脂用シリコーン添加剤「GENIOPLAST(ジェニオプラスト) Pellet S」など、 エレクトロニクス、型取り、電力用のエラストマーや、自動車、電気電子用の熱硬化型液状シリコーンエラストマー、医療用のエラストマーなど豊富な品ぞろえでユーザーニーズに対応している。
 足元の販売動向は「セヌジル」が押出成形品(チューブ、ガスケット等)、カレンダー成形品(ゴムシート等)に堅調推移。自動車用分野ではハイブリッド車を含む自動車の電子化の進展によりLSRの採用が拡大、その他エアバッグのコート材、ディーゼルエンジン用のターボチャージャーホース、マフラーハンガー等が堅調に推移している。

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