三菱樹脂㈱(吉田宏社長)は8月31日、リチウムイオン2次電池用セパレータ「セパレント」の生産能力を増強することを発表した。
現在は滋賀県の長浜工場内で1200万㎡/年の量産設備を持つが、今後も携帯電話やノートパソコン用向けの需要の伸びが期待されることから、約1500万㎡/年の新ラインを設置する。
2012年夏に竣工予定、投資額は約25億円。
同セパレータは、 リチウムイオンを適度に透過させ、かつ正極と負極が触れてショートするのを防ぐ機能を有する多孔質フィルムで、電池が異常加熱した場合に安全に孔を塞ぎシャットダウンする役割を担うもの。
乾式法でありながら、孔の高次構造コントロールにより湿式法に近い孔構造を有し、低温出力、サイクル寿命等の諸電池特性を併せ持っている。 なお、同社では引き続き三菱化学との販売も含めた連携を深めながら、ハイブリット自動車(HEV)や電気自動車(EV)向け用途で求められる耐熱性の付与など、顧客のニーズに応じた高機能セパレータの開発を進めており、今後も必要に応じて更なる増産投資も検討していくとしている。