JSR 子会社が世界初3D成形システムを販売

2014年02月15日

ゴムタイムス社

 JSRの100%子会社であるディーメックは2月13日、独自に開発した世界初のマイクロ波成形システム「Amolsys M―150」の販売を開始すると発表した。
 マイクロ波成形システムは、従来なかった方式の3D成形システムで、一般的な熱可塑性樹脂をマイクロ波により溶融して成形し、工業用としては「ラピッド・プロトタイピング」が主だった3Dプリンターの適用範囲を、実用製品の作成を可能にする「ラピッド・マニュファクチャリング」へと拡げ、熱可塑性樹脂の成形に新しい仕組みを提案していく。
 同社は、近年注目されている3Dプリンターの一方式である光造形システムの日本におけるパイオニアで、非常に精度の高い光造形方式を工業用専業メーカーとして長年取り扱ってきた。今回、JSRと共同で熱可塑性樹脂の昇温・溶融プロセスを徹底的に分析し、世界で初めて、温度センサー制御のマイクロ波成形機と、特殊ゴム型の組み合わせによる新しい熱可塑性樹脂の成形システムを開発・製品化することに成功した。従来の3Dプリンターや光造形機は各方式の原理上、使用することのできる原料樹脂の種類が限定されており、一般的な熱可塑性樹脂を用いた成形品を作成できないため、適用範囲に大きな制約があった。今回発売するマイクロ波成形システムは、3Dプリンターの手軽さ、迅速さで様々な熱可塑性樹脂(ABS等)を使用して、実用製品を成形することができ、短納期の設計・製造や少量多品種の商品、オンデマンドで少数製造する製品の製造に最適。
 同社は、光造形システム、3Dプリンター、光造形樹脂等、試作品を造形できる技術を提供するだけでなく、実製品を迅速に低コストで簡単に希望の樹脂を使って成形することができる、マイクロ波成形システムを加えることで統合した製造システムを提供し、従来では困難だったプラスチック成形のニーズに応えていく方針。

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