次期売上高 初の4000億
東洋ゴム工業の2013年12月期連結決算は、売上高3702億1800万円、営業利益372億4000万円、経常利益382億9300万円となったが、米国独占禁止法違反により発生した損失を特別損失に計上したことにより、当期純利益は115億9600万円となった。
同期間ベースで比較すると売上高で791億円、経常利益で246億円の増収増益となった。北米市場においてタイヤ事業が好調に推移したことや、為替の円安進行、原材料価格が安定的に推移したことにより、売上高、営業利益において過去最高を達成、営業利益率も10%を達成した。
経常利益段階での増減要因は、原材料価格で120億円、為替の影響140億円、工場コスト合理化26億円などの増益要因が、販管費の増加2億円、工場立上げコスト12億円、販売要因58億円の減益要因をカバーし、約229億円の増益となった。
タイヤ事業の売上高は2897億1400万円、営業利益337億8500万円で、同期間ベース比較で増収増益となり、売上高、営業利益ともに過去最高となった。北米市場においては景気の回復に伴い高付加価値品であるSUV向けの販売が好調であったことに加えて、欧州・東南アジア市場においても、生産拠点であるマレーシアで販売量・売上高が順調に推移したことにより同期間ベース比較で増収増益を達成した。
ダイバーテック事業の売上高は804億5600万円、営業利益は25億8300万円となり、同期間ベースでは増収減益となった。
主力の輸送機器分野において、北米を中心に海外での自動車生産が好調であったため売上高は順調に推移した。
次期の業績見通しについては、米国や日本では景気回復基調が見込まれるものの、欧州の債務問題の影響、新興国の経済成長の鈍化などの景気下押しリスクもあり、引き続き不透明としながらも、タイヤ事業では北米市場での旺盛なタイヤ需要へ対応するため米国タイヤ生産子会社の生産能力の拡張を進めるとともに、マレーシアのタイヤ生産拠点の立上げに伴う供給能力の増加により、成長著市場での東南アジア地域での自由貿易協定を活用した各国への輸出拡大や北米、欧州、ロシアなどの重点市場での拡販を図っていくとしている。
これにより売上高は初の4000億円、営業利益400億円、経常利益360億円、当期純利益250億円を見込んでおり、経常利益を除き、いずれも過去最高を予想。
次期の設備投資額はタイヤ生産能力増強を中心に335億円を計画している。