安定収益確保で値上げへ
合成ゴム各社の第3四半期決算でも「合成ゴムの販売は円安を背景にした拡販が奏功し数量を伸ばしたものの、海外市況の悪化等の影響を受けたため、営業利益は前年同期を下回った」というように、採算面では海外市況の悪化が響いている。
海外市況の悪化要因は欧州の景気に対する不透明感、中国景気の足踏みなどで、中国市場での日系タイヤメーカーの生産調整やローカルメーカーの稼働率ダウンなどのタイヤ需要低迷に加え、主原料のブタジエン価格が一時、トン当たり800ドル台まで落ち込むなどブタジエン価格に連動してBR、SBRの輸出向けの市況が軟化、合成ゴム各社は円安にもかかわらず充分なスプレッドが確保できず、採算悪化を招いているという。