J・D・パワー アジア・パシフィックは2月21日、2013年日本小型トラック顧客満足度調査SMを発表した。
同調査によると、車両選定の理由は、「販売店の営業担当者に対する信頼」(37%)が一番多く、次いで「販売店の系列関係、付き合い」(36%)が続き、「車両価格の安さ」(31%)や「本社の指示・方針」(23%)を上回った。
同調査は、全国のトラック貨物輸送事業者(緑ナンバー)の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有する小型トラックのメーカー(含販売店)に対する総合的な顧客満足度を測定するもの。8回目となる今回は2013年10月から11月に郵送調査を実施し3456件の回答を得た。
同調査では小型トラックに関する総合的な顧客満足度の評価を、4つのファクターに基づいて算出した。その結果、影響度順に「アフターサービス」(51%)、「営業対応」(25%)、「商品」(13%)、「コスト」(11%)となっている(カッコ内は総合的な顧客満足度に対する影響度)。各ファクターにおける合計62の詳細項目に対する顧客の評価をもとに、総合満足度スコアを1000ポイント満点で算出している。
主な調査結果としては、業界全体の総合満足度は、2012年より1ポイント低下の630ポイントとなった。「販売店の営業担当者に対する信頼」を車両選定理由として挙げる顧客は、今回新車(=平成25年登録車)を購入した事業者で特に高く、49%となっている。更に、2011年調査時の割合(43%)からも6%増加している。
車両選定理由の中に「販売店の営業担当者に対する信頼」を挙げている顧客の方が、価格などそれ以外の理由だけを挙げている顧客に比べて、満足度が高い(669ポイント対608ポイント)。
高満足層(総合満足度800ポイント以上)と低満足層(総合満足度500ポイント未満)の間で最も回答に格差が生じているのも「販売店の営業担当者に対する信頼」であり、その差は46%となっている(63%対17%)
営業担当者の訪問頻度が「月に1回以上」と回答した顧客の場合、「販売店の営業担当者に対する信頼」を選定理由にした割合は業界平均を10%上回る47%になり、訪問頻度が月1回未満の場合には業界平均以下となった。
整備・修理の際の預け方は、「持ち込みが多い場合」とする顧客が49%、「引き取りが多い場合」の割合は43%であり、持ち込み比率が若干多い。「引き取りが多い場合」とする顧客の総合満足度は648ポイントとなり、業界平均を18ポイント上回る結果となった。また、引き取りの場合のメーカー間総合満足度格差は最大で34ポイントとなり、持ち込みの場合の格差(18ポイント)よりも16ポイント大きいことが分かった。
同調査の対象者において、単有の事業者(単独メーカーの車両のみ保有)の割合は27%となり、どのメーカーも22%~30%と25%前後が単有の事業者であった。単有事業者の総合満足度は641ポイントと併有事業者(626ポイント)より15ポイント高い結果となった。
同社のオートモーティブ部門執行役員である木本卓氏は「各社のポスト新長期規制への対応も一段落し、商品性の拡充は図られている。ただし、各社の商品力強化がなされた結果、今後は営業やアフターサービス領域において如何に他社との差別化を図るかが大きなテーマとなる。顧客が車両購入決定の理由として『販売店の営業担当者に対する信頼』を一番に挙げていることからも、顧客対応力の強化が一層求められるだろう」と述べている。
ブランド別総合満足度ランキングでは、対象となった5ブランドのうち、総合満足度スコア643ポイントでトヨタが第1位となった。顧客満足度を構成する4つのファクターのうち「商品」で最も高い評価となり、それ以外の「アフターサービス」、「営業対応」、「コスト」の3つのファクターは、2位の評価となった。
ブランド別ランキングの第2位は641ポイントの日野、第3位はUDトラックス(639ポイント)となった。
2014年02月24日