ゴム連合 「2014春のとりくみ方針」詳報

2014年03月03日

ゴムタイムス社

 ゴム連合が明らかにした「ゴム連合2014春のとりくみ方針」は以下の通り。

1 賃金
 定昇・賃金力ーブの維持分はもとより、過年度物価上昇に伴う実質賃金の低下に対する生活水準の維持、産業間格差の拡大防止を図り、ゴム産業の社会的位置づけを維持するとりくみとして、「賃金力ーブ維持分に加え、1%以上の賃金底上げ」を積極的に求めていく。
 要求方式は、自社の賃金水準とゴム連合の標準者水準を把握する意味からも「個別賃金による賃上げ額」とすると共に、全体像を捉える目的で平均賃上げ額の表示も同時に行っていく。
 また、これまでの労使協議の中で賃金に関する課題を継続的に協議しているとりくみや単組における賃金への課題解決に向けた賃金改善(格差是正等)については、計画的にその諸活動を推進していく。

1―1 賃金カーブ維持へのとりくみ
(1)個別賃金へのとりくみ〔標準者銘柄=35歳・高卒正規入社17年勤続・生産技能職・4人世帯〕
①賃金体系及び実在者賃金に基づく昇給金額の確保を行う
 実在者及びモデル賃金において、34歳から35歳への引き上げ額・率を算出して設定する(平均賃上げ額の参考表示)。
②引き上げ額の算出が困難な場合
 ゴム連合全数調査結果による自単組の「基本賃金ピッチ」を参考に設定する。
(2)個別賃金のとりくみが困難な場合のとりくみ
①平均賃上げ額の確保を行う
 賃金体系及び実在者賃金に基づく賃金力ーブ維持に必要な原資を算出し、平均賃金の引き上げ額・率を設定する。また、自社の賃金水準を労使において認識を共有する観点から、標準者賃金及び賃上げ額を表示していく。
②引き上げ額の算出が困難な場合
 ゴム連合全数調査結果による全単組データにおける引き上げ水準を参考に設定する。

1―2 生活水準の維持に向けたとりくみ
(1)賃金底上げへの積極的なとりくみ
①所定内賃金が1%以上底上げできる原資を算出して要求額を設定する
 各賃金項目の配分方法(底上げ原資の配分)を明確にして要求内容を組み立てる。
②個別賃金(35歳標準者賃金)を基本に要求金額を表す
 賃金力ーブ維持分に底上げ分の原資を加算し、個別賃金において賃上げ金額を設定する。また、平均賃金の引上げ額も参考表示する。

1―3 賃金改善へのとりくみ
(1)賃金の課題に対するとりくみ
①賃金体系・所定内外手当の見直し
 賃金体系・賃金力ーブの歪み・格差の是正・各種手当の課題や問題点を抽出し、労使の共有化を図り、企業の収益状況を考慮した上で解決に向けたとりくみを進める。
②計画的な賃金改善の実施
 これまでの労使協議を通じ、計画的に賃金改善を行っている単組においては、環境の変化も考慮してとりくみを推進する。
③初任給是正による昇給調整
 初任給の是正が行われた場合は、現行の賃金体系を是正して賃金の逆転を発生させないよう、体系上の調整を行う。

1―4 賃金制度の確立に向けたとりくみ
 賃金制度の整備が遅れている単組は、労使協議を通じて「必要性の共有化」を図ると共に、賃金制度確立に向けた労使の検討委員会等の設置に努力する。

1―5 賃金カット等の解消へのとりくみ
 企業業績や収益力を把握した上、これまでの貢献度を加味して継続の必要性を判断する。解消できる場合は速やかに本来あるべき水準に復元させる。
 継続する必要があると判断される場合は、解消できる環境を把握し、労使で協力していかなければならない諸課題について労使の共通認識を図る。

1―6 最低賃金へのとりくみ
(1)労使協定締結へのとりくみ
①企業内最低賃金
 企業内の従業員に対する最低の賃金水準を補完する役割であり、将来の産業別最低賃金や地域別最低賃金の形成における重要な指標となることから、すべての単組において企業内最低賃金の協定化を図る。
 また、地域別最低賃金も上昇している。各事業所の所在する地域における基幹労働者である位置付けを意識し、企業の優位性や労働者の処遇改善
に向けて、適用労働者の拡大を図り、現行水準の引上げに努力する。
②年齢別最低賃金保障
 中途採用者の初任賃金や組合員の最低生活保障の考え方に立って協定化を図る。協定化に際しては、標準労働者の8割程度を目安に設定する。

 

 

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