昭和電工は2月26日、半導体製造用特殊ガスのひとつである高純度亜酸化窒素の供給能力を拡大すると発表した。
同社は韓国の斗岩産業との間で高純度亜酸化窒素生産に関する委託契約を締結するとともに、ソウル近郊の同社工場内に精製設備を共同で立ち上げることを決定した。2014年中に設備を完成させ、2015年から販売を開始する予定。これにより、現状の同社川崎事業所における年間生産能力1200トンに、今回の韓国での生産委託分600tが加わり、同社グループの今後の供給能力は1800tに増強される。
高純度亜酸化窒素は、半導体CVDプロセスでの絶縁酸化膜形成用ガスとして使用される特殊ガスであり、アジア地区での半導体用途での需要は年率10~15%で拡大している。近年はディスプレイ製造時の酸化膜の酸素源としての用途も拡がっている。今後も東アジアでの需要が拡大することにあわせ、同社の供給体制を強化する考えだ。
同社では、現在推進中の中期経営計画「PEGASUS(ペガサス)」フェーズⅡにおいて、高純度アンモニアをはじめとする半導体高純度ガスを成長事業に位置づけている。今後、アジア地区を中心にグローバル展開をさらに推進し、拡販に注力していくという。
2014年02月28日