日立化成は3月3日、日立金属の子会社である日立電線メクテックのエポキシ樹脂成型品事業について、日立化成、日立、住友電工が設立する合弁会社「日立化成住電パワープロダクツ(仮称)」(以下、新会社)に本年4月1日付けで事業承継させることで合意したと発表した。
新会社は、出資比率が日立グループ60%(日立化成51%、日立9%)、住友電工40%となり、主に電力流通分野の送配電インフラに欠かせないガス絶縁開閉装置、送配電ケーブル用機器のエポキシ樹脂成型品を製造する。
本店の所在地は茨城県日立市日高町、資本金は4億5000万円、従業員数は約60名。
エポキシ樹脂は、主剤と硬化剤の組み合わせによって特性を幅広く変化させることが可能で、毒性や引火性が小さいことから取り扱いやすく、揮発性物質がほとんど出ず、絶縁性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐候性に優れているといった特長を兼ね備えている。こうした特長から、電気・電子部品、宇宙航空機などの最先端テクノロジーをはじめ、自動車、船舶、建築土木、家具などに幅広い分野で用いられている。
特にガス絶縁開閉装置や送配電ケーブル用機器には、高い絶縁耐力、機械強度と耐久性を持ち、高い寸法精度が実現できるエポキシ樹脂成型品がコア部品として使用されてる。また、新興国での発電プラントの建設に伴い、高効率の電力流通ネットワークの整備が不可欠となっており、さらに先進国でも老朽化した送配電ネットワークの再整備等が進んでいる。こうした中で、ネットワーク構築に不可欠な、長期的に安定した高品質のガス絶縁開閉装置や送配電ケーブル用機器の重要性がますます高くなっている。
また、今後、3社は、エポキシ樹脂成型品の高機能化、高品質化に向けた材料新技術の開発にも共同で取り組み、エポキシ樹脂の新たな可能性を追求するとしている。