円安による原油・ナフサ価格の大幅上昇や原料価格の高騰などにより、ゴム・樹脂製品の値上げが相次いでいる。
クラレはゴム・化成品製品全般とPMMA(メタクリル樹脂)成形材料「パラペット」、日本エイアンドエルはABS系樹脂と合成ゴムラテックス類、帝人はポリカーボネート樹脂、電気化学工業は樹脂製コルゲート管「トヨドレン」の値上げをそれぞれ発表した。
クラレはゴム・化成品製品全般を4月1日から、PMMA(メタクリル樹脂)成形材料「パラペット」を3月17日出荷分から値上げする。
ゴム・化成品については現行価格から15%以上、PMMAについては国内向けがキログラムあたり25円、海外向けがメトリックトンあたり250USドルの値上げとなる。
同社によれば、円安による原油・ナフサ価格の大幅上昇により、樹脂・ゴム材料などの原料や副資材などが高騰したことに加え、ユーティリティー・物流コストも上昇しており、同社のコスト削減の範囲をはるかに超えるものとなっている。こうした中、安定供給の維持のため、価格改定を実施するに至ったという。
日本エイアンドエルは、ABS系樹脂の値上げを3月10日出荷分から、合成ゴムラテックス類は3月10日納入分から実施する。
値上げ幅は、ABS樹脂・AES樹脂・ASA樹脂・AS樹脂・ポリマーアロイが30円/kg以上。紙加工用SBRラテックスが15円/ドライkg以上。一般産業用SBRラテックスが20円/ドライkg以上。VPラテックス、NBRラテックスが30円/ドライkg以上。同社は原料価格の急激な上昇を値上げの理由として挙げている。
帝人はポリカーボネート樹脂を3月17日出荷分から値上げする。
対象製品は、樹脂では「パンライト」(ポリカーボネート樹脂)と「マルチロン」(ポリカーボネート系アロイ樹脂)、樹脂加工製品では「パンライト」シート(ポリカーボネート樹脂シート)、「パンライト」フィルム(ポリカーボネート樹脂フィルム)。
値上げ幅は、「パンライト」は国内が40円/kg以上、海外が0・40USドル/kg以上、「マルチロン」は国内が45円/kg以上、海外が0・45USドル/kg以上、「パンライト」シートは国内で50円/kg以上、「パンライト」フィルムが国内で50円/kg以上。
値上げの理由は、ポリカーボネート樹脂の主原料であるビスフェノールAの価格が、粗原料であるベンゼンの価格高騰の影響を受け、当初の想定を超えて上昇しているため。
電気化学工業は樹脂製コルゲート管「トヨドレン」の値上げを4月1日出荷分から実施する。値上げ幅は、現行仕切り価格の15%。
原油・ナフサ価格高騰により原燃料価格の上昇が続き、製造コストが大幅に上昇。生産の合理化や省力化、諸経費の節減などに取り組んでいるものの、安定供給と事業を維持継続するためには、価格転嫁をせざるを得ない状況と判断した。