住友化学は3月10日、同社の100%子会社である住友化学アジア社が、シンガポールにおいて新設した溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SBR)製造プラントの開業式を3月7日に開催したと発表した。
開業式は、シンガポール首相府S・イスワラン大臣や在シンガポール日本大使館、シンガポール経済開発庁(EDB)、ジュロンタウン公社(JTC)、プラント建設会社、主要顧客などの関係者を来賓に迎え、住友化学からは社長の十倉雅和氏が出席し、市内のホテルにて盛大に執り行われた。
S―SBRは世界的に自動車燃費規制が強化される中で、高性能省燃費タイヤ用の原料として需要が急速に拡大しており、中長期的にも需要の増加が想定される。住友化学は中でも成長著しいアジア市場における供給上の地理的優位性や、原料の安定的な確保、同社グループの既存事業との連携といった観点から、今回シンガポールにおいて同プラントを建設した。
同プラントは、シンガポール ジュロン島内メルバウ地区に所在。生産能力は年産4万トン。生産品目は高性能省燃費タイヤ用スチレンブタジエンゴム。製法は溶液重合法。
住友化学アジア社は、1990年7月に設立。資本金は1億5100万USドルで、住友化学の100%子会社。社長は阪本聡司氏。事業内容は石油化学品の製造および販売。
同社のS―SBRは、独自に開発した製造プロセス技術と、高性能化の鍵となるポリマー変性技術により、高い省燃費性や耐磨耗性といった優れた性能を有しており、顧客である国内外のタイヤメーカーから高い評価を得ている。国内に保有する年産1万トンの既設プラント、今回の新設プラントに加え、今後シンガポールでのさらなる拡張も検討しており、当事業のグローバル展開をより一層推進していく方針。
2014年03月11日