クレハは3月18日、同社の100%子会社であるクレハ・ヨーロッパ社が、ドイツのムルチバック社との間で、クレハ・ヨーロッパ社傘下の会社で製造する熱収縮多層フィルム「ML―40」シリーズの内、「Form Shrink フィルム(以下、FSフィルム)」の販売につき、既にクレハ・グループが販売している国およびオセアニア地域を除く全世界での独占販売権の付与について、このたび合意したと発表した。
クレハ・ヨーロッパ社は欧州における業務用食品包装材料事業の統括会社。ムルチバック社はドイツの大手包装機械メーカーである。
また、クレハ・ヨーロッパ社においては、同社グループの2015年度までの「中期経営計画 Grow Globally―Ⅱ」(略称「中計GG―Ⅱ」)に基づき、FSフィルムをはじめとする「ML―40」シリーズの拡販による成長を企図していることから、現在、製造子会社のクレハロン・インダストリーズ社(オランダ)において、生産能力を従来比20%増とするための設備投資(投資額約7億円)を進めており、今夏の設備稼働を予定している。
FSフィルムは、高強度、ハイバリアー、熱収縮性を特徴とする「ML―40」シリーズのひとつで、ムルチバック社が同社グループと共同して開発した自動包装機に使用するフィルム。フィルムを熱成形し食品を真空パックした後、スチーム加熱によりフィルムを熱収縮させることで、食品を安全かつ見栄え良く包装することができ、すでに欧州を中心に加工肉、チーズ、生肉の包装形態として採用が進んでいる。
同社グループでは、1950年代のポリ塩化ビニリデン・フィルムによる魚肉ソーセージの包装技法の開発を起点として、フィルム加工技術、食品保存技術を蓄積し、1973年にはオランダでの生産を開始し、欧州での事業展開を本格化させた。現在、欧州でのクレハロン事業の売上高は約100億円となり、今後も着実な成長を見込んでいる。
同社は、FSフィルムをはじめとする「ML―40」シリーズは、顧客である食品会社における生産性や商品力の向上に大きく貢献すると同時に、同社グループにおける業務用食品包装材料事業拡大のけん引役となるものと確信しているとしている。
2014年03月23日