宇部興産は3月28日、第54回(平成25年度)学術奨励賞並びに渡辺記念特別奨励賞の対象として、11件の受賞を決定したと発表した。
宇部興産学術振興財団が選考委員会の受賞候補選考を経て、3月13日の理事会において、応募総数134件の研究テーマから「ヒトIAPPによる膵β細胞傷害機構の解明(医学)」「分子フィラーによる耐熱性低屈折率高分子の開発(高分子)」などが受賞した。
「学術奨励賞」10件(各100万円)及び医師であった同財団の祖、渡辺剛二翁を記念して特に若手研究者を対象とした「渡辺記念特別奨励賞」1件(120万円)に対し、合計1120万円の学術研究費援助を実施する。
同財団は、同社の初代会長である渡辺剛二翁の遺志により、学術の振興を目的として1959(昭和34)年に設立された渡辺記念学術奨励会を発展的に引き継ぐものであり、1998(平成10)年に現在の名称に改称された。
日本における学術研究を奨励し、研究施設の充実を図るとともに、学術研究を志す者を援助することで学術文化の発展に寄与することを目的としている。2010(平成22)年に内閣府より公益認定を受け、公益財団法人として登記された。
贈呈式は、6月11日にANAクラウンプラザホテル宇部(山口県宇部市)にて、特別講演と併せて開催する予定。特別講演では、京都大学iPS細胞研究所の高橋和利(たかはし・かずとし)博士が、「明日の化学=iPS細胞の展望」と題して、ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥教授と一緒に研究を続けている「iPS細胞」について分かりやすく説明する。聴講は無料だが、希望する場合は事前に同財団事務局への予約が必要。
なお、次回の援助金テーマの募集は、同年9月から11月を予定しており、6月に同財団のホームページに募集要項を掲載予定。
2014年03月31日