バンドー化学 銀ナノ粒子インクと接合剤を開発

2014年04月01日

ゴムタイムス社

 バンドー化学は3月31日、低温焼成型金属ナノ粒子製品「FlowMetal」の応用技術として室温焼成型銀ナノ粒子インク、低温焼成型銀ナノ粒子接合材を開発したと発表した。
 同社は、2008年5月にコア技術の「分散技術」「複合化技術」を発展させる形で、一般的には背反する特性である長期分散安定性と低温焼成性を実用レベルで両立させた、銀ナノ粒子を用いた低温焼成型金属ナノ粒子製品「FlowMetal」を発売。その後、性能をさらに高め、適用できる領域を広げるための金属ナノ粒子製品の応用開発を進めてきた。今回、室温焼成型銀ナノ粒子インクに関する体系的な技術開発、半導体素子の接合に使用できる銀ナノ粒子接合材の技術開発を完了した。
 室温焼成型銀ナノ粒子インクについては、室温で乾燥させるだけで、導電性が得られる銀ナノ粒子インクに関する体系的な技術開発を完了。加熱の必要なく導電性パターンを作成することができるため、導電性パターンが作成できる基材の種類、形状を広げることが可能となる。同技術に関連する特許網の形成も進めており、登録済みの複数の特許(特許第5221154号等)と現在出願中の複数の特許によって、特に室温焼成できる受容層に関しては広範囲な権利を保有することとなる。同社では、今後、プリンテッドエレクトロニクス市場に向けた製品の開発を進めていく方針。
 低温焼成型銀ナノ粒子接合材については、これまでプリンテッドエレクトロニクス用金属ナノ粒子インクを中心に、開発してきた金属ナノ粒子創生技術を応用し、半導体素子に接合できる銀ナノ粒子接合材の技術開発を完了した。金すずはんだ、高温鉛はんだの融点より低い250℃の加熱で、半導体素子を基板上に接合することが可能。また、銀に由来する高い熱伝導率や焼成後は融点が上がり再溶融しない特長をもち、さらにLED素子を接合した場合、3000サイクルのヒートサイクル試験後も破壊強度の低下がないことを社内試験で実証している。同社では、今後、LED市場、パワーデバイス市場、光半導体市場等に適用する製品開発を進めていく方針。
 なお、同技術の一部を4月16日から18日まで東京ビッグサイトで開催される「第5回 高機能フィルム展」にも出展する。

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