ニュースの焦点 厳しさ続く中小企業の景況感

2011年09月06日

ゴムタイムス社

 信金中央金庫はこのほど4―6月期の中小企業景況レポートをまとめたが、業況判断DIはマイナス38・4となり、震災の影響を織り込んでいない前期の水準(マイナス31・6)に比べて6・8ポイントの悪化となった。

 収益面は、前年同期比売上額および収益の判断DIが、それぞれマイナス30・3、マイナス33・4と、ともに10ポイント超の大幅悪化となった。業種別の業況判断DIは製造業・小売業・サービス業・建設業・不動産業6業種全てで悪化したが、不動産業の悪化幅は相対的に最も小さい。また、地域別でも北陸を除く10地域で悪化、とりわけ、東北よりも東海、近畿などの悪化幅が相対的に大きかった。
 一方、来期(7―9月期)の予想業況判断DIはマイナス35・9と、今期実績比2・5ポイントの改善見通しとなった。
 しかしながら、業種別には小売業と不動産業で、また地域別には東北・中国・四国の3地域で悪化が見込まれている。
 4―6月期の売上高を仮に震災がなかった場合と比べると売上高が10%以上減少した企業は全国で37・1%、東北では51・4%となった。階級値を用いて売上高の平均変化率を算出すると、全国の売上高は平均して7・9%減、地域別では東北(平均12・6%減)が目立つ。
 震災を受けてとった対応については「資金繰りなど金融面の手当」が全国では11・4%であるが、東北地区は26・2%と際立っている。
 震災による直接的な影響が少なかったであろう地域においても売上高が減少しており、今回の震災は被災地域のみならず全国の中小企業に影響を与えたことが伺える。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー