横浜ゴムは4月4日、東日本大震災の復興支援活動の一環として、19日に岩手県上閉伊郡大槌町で「平成の杜」植樹会を開催すると発表した。
同会は大槌町が復興計画のひとつに掲げた「鎮魂の森」づくりを支援するもので、2012年に開始し今回で3回目となる。当日は碇川豊大槌町長や町役場の職員、大槌町の住民に加え、植物生態学者である宮脇昭横浜国立大学名誉教授が参加する予定。また、同社からは南雲忠信会長兼CEO、野地彦旬社長のほか、従業員がボランティアで参加し植樹や指導を行う。
大槌町が取り組む「鎮魂の森」づくりは、宮脇名誉教授が東日本大震災後に提唱した「いのちを守る森の防潮堤」の構想を取り入れている。「いのちを守る森の防潮堤」は、東北地方の太平洋沿岸およそ300キロメートルにわたって防潮林を築くというもので、将来津波が発生した際の減災に貢献する。また、植樹マウンドに震災によって発生した木質系がれきや土砂、コンクリート片などの土系不燃がれきを活用している。
こうした震災がれきの活用は、がれき処理のコスト削減や焼却処理によるCO2発生を抑制できるだけでなく、苗木の発育促進にも効果がある。
同社はこの提唱に賛同し、同社が進める植樹プロジェクト「YOKOHAMA千年の杜」で培ったノウハウを生かして、2012年に大槌町でモデル植樹会を開催した。以降、この地域に自生する樹種のどんぐり採集、町民の皆様との苗木づくり、稲ワラ集めなどの植樹支援活動を継続的に行っている。なお、1期目は「千年の杜」植樹会としていたが、2期目よりこのモデルケースの森を「平成の杜」と命名した。
同社グループが2007年に開始した「YOKOHAMA千年の杜」は、創業100周年に当る2017年までに国内外の全生産拠点に50万本植樹することを目標としている。開始当初から宮脇名誉教授に指導を仰いでおり、苗づくりから植樹、その後の杜の育成までを従業員が自ら行っている。2013年12月までにすでに約33万本を植樹した。
2014年04月04日