昭和電工は4月17日、再建工事を進めてきた液化アンモニアの物流基地(福島県新地町)の運営を4月より再開したと発表した。同基地の敷地面積は約1万㎡。
旧物流基地は、東北6県および新潟への出荷基地として、2010年3月に福島県相馬港で操業を開始したが、東日本大震災による津波の被害により設備が破損したため、2011年3月以降は、製造拠点である同社川崎事業所(川崎市)から直接、顧客に製品を供給していた。今回再建し、新たに同社東北アンモニアセンターとして物流基地の運営を再開したことにより、東北・新潟地区における液化アンモニアのより一層の安定供給体制を図っていく。
液化アンモニアは、合成繊維の製造や自動車・建設機械部品の金属表面処理などの工業用途の他、火力発電所やゴミ処理施設の排煙に含まれる窒素酸化物(NOx)の除去に使われており、ライフラインに欠かせない役割を担っている。また、同社の液化アンモニア「エコアン」は、使用済みプラスチックを原料の一部に使用した製品で、電力会社からグリーン調達品として認定を受けるなど、高い評価を得ている。火力発電は今後も高稼働の継続が予想されることから、液化アンモニアの堅調な需要が見込まれる。
同社は製品・事業を通じた社会貢献を経営理念として掲げ、事業運営を行っている。今後も同製品をはじめとする環境・社会基盤に不可欠な製品の販売を通じて、顧客・地域の期待に応えていくとしている。
2014年04月22日