クラレは4月28日、レトルト食品包装用の透明ガスバリアフィルム「クラリスタ」に高い防湿性を付与した「クラリスタCF」を開発、本格的な販売を開始したと発表した。
現在主流となっているアルミ箔を使用した積層フィルムからの代替を推し進めるとともに、レトルト包装化の進む流動食や点滴輸液、薬などの医療分野やペットフードなど、食品包装以外の分野にも積極的に展開していく。
開発の背景には、単身者の増加や高齢化の進行などにより、自分で食事を作らず、レトルト食品や総菜等を購入して食べる人が増加していることがある。電子レンジでの加熱調理が可能、焼却時の残渣が発生しない、金属探知機による異物検査が可能といった理由から、現在主流であるアルミ箔を使用した積層フィルムからガスバリア性のあるプラスチックフィルムをアルミ箔の代替として使用した透明積層フィルムの伸長が期待されている。
「クラリスタCF」は、プラスチックフィルムとしては最高レベルのバリア性能(酸素・水蒸気)を発揮。レトルト処理後も高いバリア性を維持するため内容物の変化が少ない。また、幅広いレトルト条件に対応し、延伸、屈曲、摩擦などの物理的ストレスがかかってもバリア性の低下が少ない。電子レンジでの加熱調理が可能で、透明性が高く、内容物の視認に好適。印刷、ラミネートなどの加工性が良好で、溶剤系インク、水性インクともに直接印刷が可能。金属探知機の使用が可能。焼却時の残渣、有毒ガスの発生がない、などの特長を持つ。
販売目標は20億円/年。
2014年04月30日