サウジ基礎産業公社(SABIC)の日本における法人である SABIC イノベーティブプラスチックスジャパン合同会社は4月28日、SABICがアジア太平洋地域でのプレゼンス拡大に向け、中国・上海工場の製造拠点におけるSTAMAX ガラス長繊維強化ポリプロピレン(LGFPP)複合樹脂の生産能力を増強することを発表した。
SABICは上海工場の操業開始を2015年後半に予定しており、STAMAX複合樹脂販売業務を中国およびアジアの顧客自動車メーカーにより近い位置から実施することで、LGFPP複合樹脂への需要の伸びに対応する。
STAMAX複合樹脂は車両重量および排出量削減のためのソリューションとして、2000年代初頭から大手自動車メーカーに採用され、主にフロントエンドモジュール、ドアモジュール、インストルメントパネルキャリア、テールゲート、シート構造体などの大型形成品および半構造体に使用されている。
同社のイノベーティブプラスチックス事業グローバルアカウントおよびアジア太平洋地域事業担当副社長アラン・レオン氏は「中国およびアジア太平洋地域においてSTAMAX複合樹脂を地域内で供給する今回の取り組みは、同地域で拡大する顧客基盤に対してこの重要な素材技術の信頼できる供給を提供することの、当社のコミットメントを示すものです」と述べている。
また、SABICのイノベーティブプラスチックス事業自動車部門統括責任者スコット・ファロン氏は「SABICは車両重量および排出量の削減における自動車メーカーのさらなる前進をサポートするために、材料技術および開発サポートを提供していきます。STAMAX複合樹脂はスチールに対して最大50%の重量削減が可能であり、軽量構造体の製造に適した材料です。STAMAX複合樹脂は既に数百もの自動車用途において、重量とコストの双方の削減を実現するソリューションであることを実証しています」とコメントしている。
同社は現在、ベルギーのゲンク工場(ヨーロッパで過去最大の新設ポリプロピレン・コンパウンド工場)、米国のベイセントルイス工場(ミシシッピー州、2011年11月操業開始)でSTAMAX複合樹脂を生産している。上海工場のSTAMAX複合樹脂製造ラインは、稼働中の2工場で確立した最新の設計および技術を使用して建設され、SABICは世界中の顧客の生産拠点に対して、各工場から均一な製品品質を提供する体制を確立することになる。
2014年05月01日