独ランクセスは5月9日、2014年度第1四半期の業績を発表した。
第1四半期の連結売上高は、前年同期比2・5%減の20億ユーロとなった。全ビジネスユニットにおいて堅調な販売量の増加を達成したが、製品価格の値下げと為替差損による減少を相殺するに至らなかった。特別項目調整前EBITDAは、同17・8%増の2億500万ユーロとなり、3月の業績発表時の予測値(約2億ユーロ)を達成した。
収益増の主な要因は、全部門における販売量の増加、「アドバンス」プログラムによるコスト削減、そして、特にパフォーマンスポリマーズ部門において一時的な費用の発生がなかったことが挙げられる。しかしながら、製品売価の値下げの影響により減収となった。特別項目調整前EBITDAマージンは、10%(前年同期:8・3%)に増加。
純利益は前年同期と横ばいの2500万ユーロとなり、1株あたり利益も前年と同レベルの0・30ユーロとなった。
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域は、グループ最大の売上高を誇る地域となる。売上高は6億1800万ユーロを達成し、前年同期とほぼ同水準となった。同地域は、グループの総売上高の30・3%を占める。ドイツの売上高は、同3%増の3億8100万ユーロで、グループの総売上高の18・6%(前年同期:17・7%)を占める。北米地域の売上高は、同1・2%増の3億3100万ユーロで、グループの総売上高の16・2%(前年同期:15・6%)。中南米地域の売上高は、同11・4%減の2億1700万ユーロで、グループの総売上高の10・6%(前年同期:11・7%)を占める。 アジア太平洋地域の売上高は、同6・4%減の4億9600万ユーロとなり、グループの総売上高における割合は24・3%(前年同期:25・3%)に減少した。
事業分野別では、パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、同6・3%減の11億ユーロとなった。製品売価の値下げが全ビジネスユニットの売上高に大きく影響を与えた。販売量は、前年同期の減少から一転し、当第1四半期は、ほぼ全てのビジネスユニットにおいて増加となった。
特別項目調整前EBITDAは、同4・5%増の1億1700万ユーロとなった。これは、販売量の増加および前年同期に計上されたシンガポールの新ブチルゴム製造プラント稼働の初期費用が当第1四半期では計上されなかったことがプラスの要因となったもの。これらのプラスの影響は製品売価の値下げによる減少を一部相殺したが、原料価格の低下を上回る製品売価の低下となった。ベルギー拠点で発生したストライキは、さらなるマイナス要因となった。
アドバンスト中間体部門の売上高は、同3・2%減の4億1900万ユーロとなった。サルティゴとアドバンスト工業化学品の両ビジネスユニットは、農薬業界における堅調な需要から売上を伸長したが、このプラス効果は原料価格の低下に起因する製品売価の値下げによる減少を相殺するに至らなかった。また、為替差損もわずかなマイナス影響を与えた。
特別項目調整前EBITDAは、前年同期(7100万ユーロ)より微増の7200万ユーロとなった。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、同5・8%増の5億5000万ユーロ。販売量は全ビジネスユニットにおいて増加した。無機顔料および建設業界向けの製品群は、欧州の暖冬に伴う堅調な需要から売上増となった。
特別項目調整前EBITDAは、販売量の堅調な伸びにより同約33%増の6800万ユーロとなった。
同社は、今年度の経済情勢は緩やかな回復基調が続き、その主な推進力は経済先進地域にあるとみている。また、合成ゴムビジネスにおける厳しい競争環境に加え低価格傾向が継続するとみており、この影響を受け、パフォーマンスポリマーズ部門は軟調傾向が続くと予測。
農薬ビジネスは、第2四半期以降も引き続き堅調な需要を予測しています。建設業界における成長率見通しも弾みをもたらすとしている。
これらの要素を踏まえて、同社は2014年度第2四半期の業績は前年同期より向上し、特別項目調整前EBITDAは2億2000万ユーロから2億4000万ユーロを達成するとみている。
2014年05月13日