日本ミシュランタイヤは5月14日、トラック・バス用タイヤの3Rコンセプトに関する記者説明会を開催した。
同社が日本でリトレッドを委託している高瀬商会(新潟県糸魚川市)の製造ラインを、世界で初めて自社工場レベルと認定したのを機に、欧米に比べリグルーブやリトレッドの活用が遅れている日本で普及を進めるのが狙い。
説明会では、最初にトラック・バスタイヤ事業部のドミニク・ペルティエ常務執行役員があいさつを行い、運送業界が抱えるコストと環境という大きな2つの課題に対し、ミシュランの3Rコンセプトを有効に活用すれば、大きなメリットが享受できるとして、「今重要なことは、この3Rを広くユーザーの皆さんに認知していただくこと」と述べた。
続いて同事業部マーケティング部の秋田修マネジャーが同社の3Rコンセプトについて説明した。
秋田氏はまず3Rに関するキーワードとして「コスト/km」を提示した。これは「1kmを走るのにいくらコストがかかるか」という意味で、これを削減することにより、運送会社のタイヤ経費の削減に繋げることができる。
現在、物流業界の課題として「コストの削減」「環境負荷低減」「安全性のさらなる向上」「ドライバー不足」が挙げられるが、3Rを推進し、コスト/kmを削減することで、ドライバー不足以外の3項目に貢献できるとした。
3Rとは「Reduce」「Reuse」「Recycle」であるが、同社ではその具体的な手段として、Reduceに対してロングライフ、Reuseにはリグルーブ、Recycleにはリトレッドを挙げた。
このうち、ロングライフについては、タイヤ表面のトレッドゴムの下にアンダートレッドとプロテクタープライを設け、ケーシングへのトレッド面からのダメージを防ぐ、という同社のトラック・バス用タイヤの構造により、タイヤのロングライフ性能を向上させていることを紹介した。
2番目のリグルーブとは、摩耗したタイヤに溝を刻む技術のことで、同社が1950年代に初めて提案した。
日本には70年代にトラック・バス用タイヤの発売を開始したのに伴い、リグルーブも開始し、2010年には環境省の