三井化学は5月21日、14中期経営計画(3ヶ年)を発表、2016年度に連結売上高1兆7500億円、営業利益600億円、最終利益300億円を目指す。金属と樹脂の一体型部材や眼鏡用の調光レンズ材料事業、太陽光発電診断・コンサルティング事業などの新事業・新製品で売上高1000億円を計画。財務体質改善を図るため11中計で2300億円の設備投資を新中計では1400億円に圧縮するが成長事業領域へ優先配分する。
新中計では新たにマーケットイン型の4事業領域に区分。モビリティ事業ではPPコンパウンドの買収・増強、タフマーの高機能品の増強、EPT、アドマーの中国新設、バイオポリオールのインド新設など自動車材を中心とした、グループ内外資源の最大活用を図り、軽量化部材、次世代LIB部材などの新事業により、16年度の営業利益300億円を目指す。ヘルスケア事業では、眼鏡用の調光レンズ材料事業や歯科材料事業など医療関連分野で、フード&パッケージ事業ではフィルム・シートでの資源の最大活用を図り業績拡大を図る。フエノール、ウレタン原料などの基盤素材事業ではコスト競争力強化と事業再構築で安定収益の確保を図る計画。
「この3ヶ年で約600億円の特損を計上してきたが、14年度から平常ベースに戻る。14年度は350億円の営業利益に対し、120億円の当期純利益を確保し、下期の復配に結び付ける。15年、16年と安定配当へ向かっていく」(淡輪敏社長)とV字回復のシナリオを描く 。
2014年05月26日