帝人グループで炭素繊維・複合材料事業を展開する東邦テナックスは、5月22日、エアバス社の最新鋭中型機であるA350XWB機向けとして、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板(「テナックスTPCL」)の認定作業を終了し、同機に搭載されることになったと発表した。
東邦テナックスは、エアバス社のA380の1次構造材用炭素繊維原糸をはじめ、A320、A330、A340などに向けて25年以上にわたり炭素繊維「テナックス」を供給し、トップサプライヤーの地位を確保している。また、2010年6月にはエアバス社の親会社であるエアバス・グループ社との間で、同機向けにテナックスTPCLを供給する契約を締結し、材料としての認定試験を行ってきた。
今回搭載されることになったのは、耐衝撃性や耐摩耗性に優れるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を用いた炭素繊維複合材料で、同社の欧州拠点である独Toho Tenax Europe GmbHにおいて製造される。
東邦テナックス代表取締役社長の吉野隆氏は、「同社は、1985年に炭素繊維「テナックス」がエアバス社のA320の垂直尾翼の構造材に採用されるなど、長期に渡り安定した供給実績と品質優位性を誇っている。航空機分野における機体の軽量化やエネルギー効率のニーズが大きくなる中、同繊維のプレゼンスもますます高まっていくものと考えている。今後は、高性能炭素繊維・中間材料や構造材の開発を進め、さらなるソリューション提供を加速していく」とコメントしている。
2014年05月27日