朝日ラバーは5月26日、都内で2014年3月期決算説明会を開催し、伊藤潤社長が決算内容と今後の見通し、新たに策定した中期経営計画について説明した。
14年3月期決算については、主力の自動車向けゴム製品とスポーツ用ゴム製品、医療用ゴム製品の受注が増加し、2ケタ以上の増収増益となった。
具体的には、売上高は56億7700万円で前期比18・5%増、営業利益は2億8600万円で同111・2%増、経常利益は2億9600万円で同112・3%増、当期純利益は1億6000万円で同109・7%増。また設備投資額は5億7500万円、減価償却費は3億8300万円だった。
連結セグメント別実績では、工業用ゴム事業の売上高は45億1400万円で同19・0%増、医療・衛生用ゴム事業は11億6200万円で同16・8%増。
中期事業分野の連結セグメント別実績では、照明関連事業の売上高はアジアを中心とする車載用LEDが伸びたことから24億2100万円で8・9%増、医療関連事業は10月に新規製品のガスケットが立ち上がったこともあり11億2300万円で同17・0%増、機能製品関連事業はRFID用タグで大きな受注があったため21億3200万円で同18・5%増と伸びた。
主要製品別売上高では、ASA COLOR LEDは円安による国内自動車メーカーの販売・生産増により、自動車内装照明向けの受注が好調に推移したことで、21億7900万円で同13・8%増となった。
スポーツ用ゴム製品に関しては、一昨年末まで続いた顧客の大幅な在庫調整が終了し、受注が回復したことから、4億800万円で同29・4%増。医療用ゴム製品は、プレフィルドシリンジ(薬剤充填済み注射器)用ガスケットが立ち上がったことと、既存の採血用・薬液混注用ゴム栓の受注が好調で、11億2300万円で同17・0%増となった。
15年3月期は、価格下落と受注の一服感により売上高は横ばい、利益は前期と今期の設備投資により、減価償却費負担が8000万円増加するため減益となる見通し。
売上高は57億円で同0・4%増、営業利益は2億6000万円で同9・1%減、経常利益は2億2000万円で同25・7%減、当期純利益は1億5000万円で同6・8%減。
今期の設備投資額は約5億6000万円、減価償却費は4億6000万円を予定。特に自動車分野(LED)とライフサイエンス分野に重点的に投資する。次の柱として期待している新製品のマイクロ流体デバイスの量産は、今秋スタートする予定である。
新しい中期経営計画に関しては、本来、中期は3ヵ年の計画だが、今後に向けて体制の見直しや基盤の再整備が必要との認識から、切りのいい2020年を見据え、中期2期分のビジョンとして「AR―2020VISION」をまず設定。その上で15~17年を基盤固めの「V―1計画」、18~20年は飛躍を図る「V―2計画」の2段構えとすることにした。
AR―2020VISIONでは「技術革新を基盤に新しい価値を創造し続けること」「経営環境の変化に応じて継続的に磨きをかけること」「人材の育成を行うこと」の3点を目標として掲げた。具体的な数値については、社内的には設定しているものの、現時点での公表は避けた。
V―1計画では「既存事業の質・量の持続的成長」「新市場・新分野への事業展開」「2020年に向けた事業基盤の強化と整備」を図り、17年3月期連結売上高80億円(14年3月比1・4倍)、連結営業利益8億円(同2・8倍)を目指す。
この数字について伊藤社長は