帝人 樹脂グレージング技術で高分子学会賞を受賞

2014年06月04日

ゴムタイムス社

 帝人は6月2日、同社の自動車用樹脂グレージング技術が、「平成26年度 高分子学会賞」(技術)を受賞したと発表した。
 同社が同賞を受賞するのは、2011年の共重合ポリカーボネート光学フィルムに続き、通算6回目となる。

 受賞研究題目は「機能性ポリカーボネートによる自動車用窓の工業化」、受賞者は帆高寿昌氏、近藤史崇氏、新見亮氏、富樫史博氏、森田夢氏の5人。

 「高分子学会賞」は、国内の高分子に関する研究分野を代表する公益社団法人高分子学会が主催するもので、高分子化学および技術の進歩を図るため、独創的かつ優れた業績を挙げた会員を対象として、「科学」と「技術」の2種に分けてその功労を顕彰するもの。

 今回同社が受賞したのは「技術」部門。樹脂窓の課題であった「大型製品の成形」「金属との接着信頼性確保」「耐候性向上による長期信頼性確保」を、樹脂窓に適した素材と、その加工技術を開発することにより解決した点が評価された。

 同社の主力素材の1つであるポリカーボネート樹脂「パンライト」は、ガラスの200倍以上の耐衝撃性を持ちながら、重量は1/2と非常に軽く、かつ、高い透明性や耐久性、独自加工技術による低い光学歪みなど、自動車用グレージング部材として適した特性を有している。

 そして、自動車用グレージング部材に適した「パンライト」と、このたび受賞した自動車用樹脂グレージング技術により、既にダイムラー、ポルシェ、シトロエン、ホンダ、日産など、世界中の自動車メーカーにおいて、パノラマルーフやクォーター・ウィンドウ、パーティションウインドウなど、様々な自動車パーツのガラス・金属代替素材として採用されている。

 なお、名古屋国際会議場(愛知県)で開催された「第63回 高分子学会年次大会」において、5月29日に授賞式、5月30日には受賞講演が行われた。

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