東海ゴム工業㈱(西村義明社長)は8日、ビル用制震ダンパー「TRC ダンパー」が北京の中学校校舎の地震対策工事に採用されたと発表した。
中国で地震対策製品が採用されたのは今回が初めて。
著しい経済発展を続けている中国では、ビルなどの建設ラッシュが続いている一方で、2008年5月に四川大地震が発生して以降、中国でも地震対策が大きくクローズアップされており、特に学校や病院などの公共施設では、免震・制震といった高性能な地震対策が積極的に採用されている。
今回採用された「TRCダンパー」は、大地震による建築物の倒壊を防ぎ、損傷を軽減させるデバイスで、現在懸念されている長周期地震動にも有効であり、これまでにも日本と台湾で採用された実績がある。
また新築建物だけでなくリフォームに適用することも容易で、「免震」と比較してコストパフォーマンスも高い。
同社ではこれらの利点と同製品の高い性能は中国の地震対策ニーズにも適合すると考え、拡販活動を行ってきた。
実際に清華大学(北京)で共同実験を行った結果、北京の中学校校舎の地震対策での設計要求を満たし、同製品の性能が高く評価され、今回の採用が決定した。
今後は、2011年11月に中国の国家規格である中国計量認証CMAを取得する予定で、その後に本格的な販売を開始する。具体的には、同製品を用いた工事や設計のできる現地の企業と連携して、現地の設計事務所や施主に同製品をPRし販売活動を展開、技術的なサポートにも対応していく予定であり、中国での拡販活動を推進していく。