極東ゴム 高放射線に耐えられるゴム材料・製品を開発

2014年06月23日

ゴムタイムス社

 極東ゴムはこのほど、同社と極東産業が早稲田大学理工学術院の鷲尾方一教授、伊藤政幸招聘研究員と共同で、高放射線下で使用できるゴム材料(2000kGy対応)、ゴムライニング(2000kGy対応)、ゴム伸縮(可とう)継手(1000kGy対応)を開発したと発表した。

 放射線環境下で高分子(ポリマー)を使用すると、放射線によりポリマーの分解と架橋、酸化が同時に進行するため、ポリマーの劣化を招く。

 そうなると、ゴムの持つ弾力性や柔軟性といったゴム本来の機能が損なわれることから、特に福島第一原子力発電所の事故後、ゴムポリマーの放射線劣化と製品仕様を加味したゴム材料の開発が必要とされるようになった。

 そこで極東ゴムは、高放射線下でもゴム材料とゴム製品が劣化しないような、ゴムポリマーと配合剤との組み合わせや接着剤などを開発。

 日本放射線化学会会長を務める鷲尾教授らの協力を得て、日本原子力研究開発機構の施設で、高放射線下で実際に使用されるのと同じ条件で実証実験を行ったところ、いずれも使用に耐えられることが証明された。

 具体的には、ゴム材料に関してはSタイプ(軟質ゴム)、Uタイプ(液状ゴム)、Hタイプ(硬質ゴム)のいずれも、2000kGyのガンマ線を照射した後も機能を維持できた。

 また、内面と外面にSタイプを使用したゴム伸縮継手については、1000kGyの環境下で耐圧試験・機能試験・繰返偏心試験などを実施した結果、いずれのテストもクリアすることができた。

 同様に、H・Uタイプを使用したゴムライニング材料についても、2000kGyの環境下で十分な接着性と耐水性を保持していることを確認した。

 これまで、高放射線下でゴム材料の

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