不二ラテックスは6月12日、東京都中央区の日本投資環境研究所9階ホールで決算説明会を開催し、伊藤研二社長が15年3月期の計画と経営戦略を紹介した。
まず、今期から新たにスタートする第2次新中期計画の基本方針として「成長戦略の推進」を掲げるとともに、それを達成するための手段として、収益力の向上と構造改革の推進(基盤作り)に取り組むことを示した。
その狙いについて伊藤社長は「成長路線へ転換していくためには革新と進化が必須条件」であり、そのためには投資が必要で、「大きな投資をするためには大きな利益がなければならない、という観点から、収益力向上を第1方針とした」と説明した。
また「開発投資」「設備投資」「教育投資」を「3積極政策」として位置付けた。
次に、新中計の初年度となる15年3月期の会社方針として、グローバル市場への対応力強化と生産革新によるQCDの追求、人材育成の3項目を挙げた。
15年3月期の業績見通しでは、売上高65億円で同1・4%増、営業利益は3億2000万円で同21・0%減、経常利益は2億7000万円で同17・0%減、当期純利益は1億9000万円で同16・5%増を予想。
セグメント別では、医療機器事業はコンドーム関連の苦戦が予想され、メディカル関連は堅調に推移、精密機器事業は欧州の得意先との契約が今期で終了するため、売上・利益ともに横ばいと予測。SP(セールスプロモーション)事業はヘリウムガスの安定入荷が早まれば黒字が見込まれるとした。
続いて各事業の現状と戦略について説明を行った。
国内の医療機器事業の現状については、コンドームは機能性高価格製品と低価格製品の2極化が進み、中価格帯製品の市場割合が減少。冷却市場では類似製品が増え、販売競争が激化している。
これに対し、同事業の戦略として、新素材や高価格帯カテゴリーの機能性・サイズ別・女性向けコンドーム市場でシェアナンバーワンを目指すほか、バージョンアップによる妊娠検査薬と、整骨チャネル向け新製品ウォーター枕「S―SLEEP」の販売を強化。さらに医療用バルーン・感染防止用カバーに新素材ポリイソプレン製品を市場投入し、新用途への拡大を推進する方針を示した。
なお、コンドームの海外市場の現状については、欧米アジア市場で薄型・新素材コンドームの需要が増加する傾向にあり、特にアジアでの薄型製品の需要が多く見られることと、アジア製品の低価格コンドームが市場に出回ってきていることを紹介。
戦略としては、アジアを中心とした薄型コンドーム市場へのアプローチを強化するとともに、ハイエンドコンドームの販売代理店網の構築を進めていく。
国内の精密機器事業の現状は、