ゴム資源の有効活用事業を展開する㈱カークエスト東洋事業部(群馬県前橋市)は、廃タイヤなどの原材料から弾性舗装材(カラーゴムチップ)、再生ゴム、大型ゴム成形品等を製造している。
13年度(14年3月期)の売上は14億9800万円で計画比5・8%増、前期比で約12・2%増、経常利益は1億3400万円で計画比30%増、前期比で38・0%増の大幅な増収増益となった。同社は14年度を最終とする5ヵ年計画で、売上高15億円、経常利益1億5000万円を目標としていたが、前倒しでほぼ達成した。
13年度の上半期は需要が鈍かったものの、参院選後に案件が動き出し、11〜2月は土曜出勤でフル生産、正月休みも返上したほど。特にカラー系人工芝用の需要が増加した。
同社は昨年、カラーチップの生産ラインを増設してしており、従来比5割増の生産能力で対応した。人工芝の需要はスポーツ施設の他、公園や幼稚園の遊具回りでも子供の安全性重視の観点から増加している。
桑原厚二取締役事業責任者によれば「他の施設との差別化でカラー人工芝のニーズが増えており、その変化を捉えてライン増設を行った」とのことだ。
足元の動向では、4月は需要が落ちたものの5月には回復し、第1四半期は計画通りの売上を見込んでいる。 同社はこの夏、鉄道保線用の新製品「線路横断通路用マット」を上市する予定だ。JR主導の下、同社の独自技術により開発した製品で、素材は再生天然ゴム。駅構内で保線員が通る通路用にレールの間に敷くマットで、従来はケヤキが使われていた。JRを中心に、私鉄を含めた全国の鉄道で需要が期待できるため、従来のラインを流用して生産ラインを整えた。
今期については、老朽化した設備更新や増加する人工芝需要に対応するため、前年を上回る