キャボットジャパン㈱(東京都港区・石合信正代表取締役)は、世界トップのカーボンブラックメーカーであるキャボットグループの一員として、高性能タイヤなど高付加価値製品向けにカーボンブラックを供給している。
同社の14年上期については、販売は数量ベースで各月とも前年同月を上回り、下期も堅調な推移が見込まれている。
日本国内のカーボンブラック市場はシュリンクする傾向にあり、さらに安価な輸入品が年々増加している。石合信正社長は「価格に振り回されることなく、高品質と安定した供給を保つという正攻法で、粛々と取り組んでいる」と語る。
一方、海外に目を向けると、日系タイヤメーカーの海外進出は今後も続くと見られる。同社はグローバル企業の強みを生かし、世界のどの地域でも変わらぬ品質の製品を供給できるようグローバルの「窓口」の役割も果たしている。
キャボットグループは、今後も増加するグローバル需要に対応するため、昨年11月に14万tの生産能力を持つメキシコのNHUMO社を100%子会社化した。
また中国では、昨年9月に第3の拠点としてXintai工場が稼働を開始しており、現在は生産能力14万tの最新鋭設備がフル稼働している。
同社の技術開発は、千葉工場内のテクニカルセンターおよび海外の各拠点で行っている。今年2月には、トラック・バス用タイヤの高機能化を求める顧客の声に応えて「PROPEL」シリーズを発売。低燃費化に適した「Eシリーズ」と、耐久性向上に対応した「Dシリーズ」をラインナップした。今後もカーボンブラック自体に高機能を付加することで汎用品との差別化を図り、積極的に製品開発に取り組んでいく方針。
キャボットグループは化学系多国籍企業の中でも世界トップクラスの安全指標を掲げ、実践している。同社の下関工場では連続無事故・無災害1万861日(6月16日現在)を達成し、現在も継続中だ。
毎年「グローバルセーフティ・デイ」を設けて全世界の拠点で、無事故・無災害に対する認識を再確認している。今年は4月に開催され、キャボット本社のパトリック・プレボー社長が電話会議で、社員に安全へのメッセージを送った。
「当社の役割は、高い安全意識とコンプライアンスを基礎として、高品質製品の安定供給を図ることに尽きる。今後も、高品質の新製品開発を進めながら、グローバルの窓口となってお客様のお役に立つことが大切」(石合社長)としている。
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