村岡ゴム工業㈱(千葉県市川市・村岡実代表取締役社長)は、ゴムリサイクルのエキスパートとして、ゴム製品の真のリサイクルを追求している。
13年度の実績では、売上高は前年比で5%増となった。利益面においては、再生ゴムは原価に占める電気使用料の比率が高く、電力料金値上がりの影響を直接受けたことや副資材の値上がりなどから、利益は横ばいとなった。
再生ゴム業界全体としては昨年春以降、景気が上向いている。日本再生ゴム工業会が発表した統計によれば、13年の再生ゴム消費量は前年比で9・6%増加し、2万1050tとなった。消費量が2万tの大台を超えたのは、リーマンショック前の2008年以来とのことだ。
消費が増えた要因は、バージンゴムに比べて再生ゴムがコスト面で優位にあること、またメーカー側が環境対応としてリサイクル品を積極的に使用する動きが、従来よりさらに具体化したことが挙げられる。
その流れは今年に入っても続いている。14年1〜3月の再生ゴム消費量は、自動車用タイヤとそれ以外の工業用品のどちらも、前年同月比2ケタ増を記録している。
再生ゴム業界でトップシェアを持つ同社でも、足元の需要動向は好調とのことだ。昨年から天然ゴムの価格は下落を続けているが、再生ゴムにまだ価格面でのメリットはある。今後の景気動向に左右される面はあるが、今期は前年比2ケタ増の売上を期待している。ただし、電気料金高騰の影響もあり利益は横ばい、今後は「品質の安定性と向上を図りながら、さらなるコストダウンに努めたい。これは原料メーカーとして継続した課題」(同社)としている。
同社は大正6年(1917年)創業以来、廃棄物は貴重な資源という考えのもと、廃棄されたゴムを再資源化して有効活用する再生ゴム製造業としての事業を一貫して行ってきた。
現在、同社の干潟工場(千葉県旭市)でタイヤ再生ゴム、ブチル再生ゴム、粉末ゴムを生産、月産2000tの生産能力を持つ。再生ゴム85%、粉末ゴム
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